東京事務所長日記　令和4.2.2（旧津市の中央公民館の思い出）

～東京事務所長です～

東京事務所は一応、津市役所の組織の一部ですので、市役所内の連絡がいろいろとやってきます。

先日、「三重弁護士会館の住所変更のお知らせ」が届きました。

新しい三重弁護士会館は、津市役所本庁舎の道を挟んだ向かい側です。

ここは以前、旧津市の中央公民館があった場所です。

旧津市の中央公民館は、昭和37年に建てられていて、50年以上が経ち、耐震性にも問題があったため、平成25年に津市大門の津センターパレスに移転しました。

実は、私が一番長くいたのがこの旧中央公民館です。市町村合併をはさんで7年間お世話になりました。

旧中央公民館は3階建ての鉄筋コンクリート造りで、もちろんエレベーターはありません。

事務所の入り口も低く、新しく異動になった主幹が背の高い人だったからと、1つの入り口は器用な臨時職員さんが手作りで大きくされていました。

トイレも和式のみ。（のちに、市長直々の命令で、3階ホールのみ簡易洋式に変わりました）

 輪転機がある作業場は、以前、市史編纂室だったようで、明治時代からの新聞などが並んでいて、移動講座のテキストの印刷中や休み時間などによく昔の新聞を読んでいました。

その日の開講講座のお知らせを手書きで黒板に書いて玄関に出したり、講座生や講師の先生が事務室に寄っていただいておもしろいお話を聞かせてもらったり、なかなか今ではできない経験をさせてもらいました。

そういえば、裏口に砲弾のような形のものがずっと置いてあって、同僚の学芸員に聞いたところ、「ああ、平成の初めごろに皇太子ご夫妻（今の天皇・皇后両陛下）が中央公民館前の道路を通られるからって付近を調べたら空襲の時の不発弾が見つかってさ、それがそうらしいよ」と言ったので、思わず後ずさると、「大丈夫、信管抜いてあるらしいから」と笑いながら言いましたが、内心「あなたが抜いたんじゃないよね、そのときいなかったよね」と思いながら、そろそろと立ち去った覚えがあります。（結局、その後もずっと置いてありましたが、どうしたのかな、あれ）

私が赴任した段階で既に移転の計画もあったので、不具合が出ても大規模修繕はさせてもらえず、だましだまし使ってきた建物でしたが、それはそれで、味のある建物でした。

お知らせで送られてきた、三重弁護士会館はモダンな造りで明るい建物ですが、正面から見ると何となく、旧中央公民館の面影があるような気がします（更地にしたのでそんなはずはないのですが）。

これから、ここでまた、いろいろな歴史が刻まれていくのでしょうね。

平成25年9月1日号より