このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。
広報津(PDF版)は広報津(PDF/13MB)からご覧いただけます。
裏表紙 |
かつて伊勢 国司であった北畠氏が本拠を置いた美杉町多気地区。その北畠氏の城下の様子を描いた大きな絵図が、美杉ふるさと資料館に展示されています。
この絵図は「たげ城下絵図」と呼ばれ、縦104センチメートル、幅220センチメートルの大きなものです。多気の町並みと周辺の山々が描かれており、図の中心には北畠氏の館(御殿)の建物や庭園、その後ろの山には霧山城が見えます。城下にはたくさんの寺院や家臣の名前が記載されており、「魚屋町」や「呉服屋町」などの町並みがうかがえる表記もあります。また多気への出入り口となる峠には番所が描かれており、比津・飼坂・白口など八カ所の番所が見られます。
残念ながらこの絵図は北畠氏が滅亡した後に描かれたものであり、当時の城下の様子を正確に描いたものではありません。絵図の霧山城には本来はなかった石垣や櫓などが描かれており、後の時代に想像を交えながら描かれたことを示しています。このような不正確な部分もありますが、北畠氏の城下の様子を考える上で手掛かりとなる貴重な資料です。
江戸時代の国学者として有名な本居宣長は、自分の先祖が北畠氏の家臣につながると考え、多気を訪ねて絵図を見たと「菅笠日記」に記しているほか、「多気の図」と呼ばれる城下絵図が本居宣長記念館に残されています。このほか、現在県内を中心に40例ほどの多気を描いた絵図が知られており、繰り返し写されながらさまざまな写本が残されたようです。これらは縦横の比率や建物などの描き方によって大きく3種類に分類できます。
美杉ふるさと資料館では、こうした各種の多気城下絵図を集め、9月3日土曜日から10月10日(月曜日・祝日)まで展覧会を開催します。この機会にぜひ、ご覧ください。(月曜休館、祝日の場合はその翌日)
記事の先頭へ | 目次へ |
14ページ目から15ページ目へ |