「広報津」平成23年9月16日/第138号(音声読み上げ) シリーズ 津のひと・もの(12)

登録日:2016年2月25日

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シリーズ 津のひと・もの(12)

最後まで諦めず、自分らしいプレーを貫く

 夏の日差しが照りつける中、津西高校のグラウンドで野球部員たちの元気な声が聞こえてくる。ここで監督として部員を指導している村田治樹さん。自身も同高校の野球部出身であり、11年前から指揮を取っている。
 大学卒業後、教師になり最初の赴任先で3年間野球部の監督を務め、ベスト4まで勝ち上がった。しかし、その後に赴任したのは県内でも数少ない野球部のない高校だった。それまで選手として、監督としてずっと野球と関わってきた村田さんにとっては我慢の日々だったが、「野球の神様が自分に与えた試練」と割り切って、各地の強豪校を視察しながら、監督としてのスキルを学んだ。そんな時、甲子園で活躍するチームは必ず何かを徹底しているという共通点に気付いた。声出しや全力疾走など、こだわっている点はさまざまだが、それがどんなときも徹底されていた。
 数年後、村田さんは津西高校に赴任して、野球部の指揮を取るようになり、この部が徹底すべき点は「野球と勉強のメリハリ」だと考えた。
 帰宅後に勉強する時間が取れるように、部では「最短時間の最大効率」という言葉を、常に掲げている。練習の合間は走って移動する、一度監督が指示を出した後は部員たちで考えて行動するなど、効率的な練習に本気で取り組んでいる。監督ではなく上級生が下級生に教える様子は、大学のクラブのような雰囲気を感じさせる。
 このような練習を積み重ねた津西高校野球部は、今夏、全国高校野球選手権みえ大会で過去2度はね返された準決勝の壁を破り、初の決勝進出を果たした。主将とエースが大会直前にけがを負うという不運に見舞われながらも、最後まで諦めない粘りのスタイルを貫いた。惜しくも甲子園出場はならなかったが、結果として得たものは多かった。
 関係者だけでなくたこうの生徒や普段野球を観ない人からも、勇気や感動をもらったという言葉を多く受け、高校野球が地域や人に与える影響の大きさにあらためて気付かされたという。これからも甲子園を目標にして、本番で自分らしいプレーができるように指導したいと意気込む。
 「彼らには、諦めないことの大切さやコミュニケーション能力など、野球部での経験を社会に出たときに生かしてもらいたい」
 そう話す村田さんの視線は、早くも次の目標に向かっている。来年の甲子園へ、チームの新たな挑戦は始まったばかりだ。


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