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「風格のある県都津市」の創造 -施政方針から-
3月1日、平成24年第1回津市議会定例会の開会に当たり、前葉泰幸[まえばやすゆき]市長が施政方針を述べました。
この中で市長から、本年度の市政運営における基本的な考え方、重点的な取り組み内容などが示されました。
今号では、その主な内容を掲載します。
なお、施政方針の全文については、津市ホームページでご覧いただけます。
市民主導の市政を
津市は、城下町、街道筋の歴史により育まれてきた文化・コミュニティを有する都市、そして、明治22年に全国で最初に市制が施行された都市であり、多くの市民は、高い自治意識と歴史への誇りをお持ちです。私は、市民の皆さまが、この地にふさわしい堂々たる市政の推進を期待しておられることに応え、「風格のある県都津市」を創造していく決意を新たにいたしました。
また、時代が移り変わる中にあっても、基礎的自治体においては、今、市民が真に求めておられるものは何か、そして、私たちにできることは何か、絶えず考えながら、地に足を着けた市政を進めていかなければなりませんし、それが未来を担う次世代に対する私どもの責任であると考えています。
そのためには、市民主導の市政を推進すること、そして、将来を見据えたまちづくりを一歩ずつ着実に推進することが大切です。
市民主導の市政とは、市民と対峙[たいじ]するのではなく、同じ方向を向いて、お互いの役割分担のもとで、努力を積み重ねることであり、それが「対話と連携」の実践です。これまで実施してきた地域の皆さまとの懇談会などに加え、新たに市民部市民交流課に対話連携推進室を設置し、職員一丸となって、市政の課題に係る市民の声を的確に把握し、各種施策として着実に実現するよう努めていきます。
将来を見据えたまちづくりとしては、屋内総合スポーツ施設などの総合計画に位置付けられたプロジェクトの推進とともに、防災対策の強化、児童・高齢者福祉対策などの市民生活に係る喫緊の課題に的確に対応していきます。
地方自治体を取り巻く環境も時代の変遷とともに変わっていきます。先行きが見通せない不透明な状況であるからこそ、市民主導の市政を、「ぶれず、浮かれず、堅実に、そして、立ち止まることなく」推進し、まちづくりを着実に進めていく決意です。
市民の命を守る
防災対策の更なる強化
- 海岸整備事業を促進します
- 平成24年度、25年度を「災害対応力強化集中年間」と定め、地域における災害対応力の強化を図ります
- 津波避難対策を推進します
- 地震や風水害への対応を含め、津市地域防災計画の徹底見直しを行います
- 消防力の強化を図ります
【具体的な取り組み】
- 自主防災組織の活動を支援するための自主防災活動活性化事業の実施
- 地域における津波避難計画の作成支援
- 避難所標識への海抜表示や避難誘導表示の整備
- 孤立対策用災害備蓄品配備事業の実施
- 移動系の防災情報通信システムの整備
- 香良洲地域の香海中学校の屋内運動場屋上を一時避難先として活用するため、外付階段やフェンスを設置
- 危機管理部危機管理課および防災室に、2年間限定で特命担当を配置し、人員体制を充実など
救急医療対策
- 津市救急・健康相談ダイヤル24の実施と、取り組み効果の検証に努めます
- 地域医療や総合診療体制に関するみえ大学の教育・研究への支援を通じ、初期救急医療体制の充実に努めます
- 二次救急医療体制の在り方について、引き続き、医療関係者などと協議を行い、検討していきます
市民の心をつなぐ
地域振興の推進
- 「総合支所は地域の代弁者であるべき」という 考え方を推し進めるため、政策財務部政策課の地域振興室を地域政策課に改め、総合支所とともに、地域住民の立場に立ち、当該地域に求められる施策の実現に向けた取り組みを推進します
- 総合支所庁舎については、安全で地域の皆さんに親しんでもらえる施設へと順次、整備を進めます
総合支所庁舎整備の主なもの
- いちし庁舎の改築
- 美杉庁舎の新築
- 河芸庁舎の改修
- 久居庁舎の改築
高齢者福祉、しょうがい児福祉
- 介護老人福祉施設の入所待機者の削減に努めるため、介護老人福祉施設の整備や特定施設入居者生活介護の実施を促進します
- 生活・介護支援サポーターの養成については、平成23年度に約350人が修了し、新年度も約200人の養成をめどに取り組むとともに、サポーターの皆さんが活動しやすい仕組みづくりを整えていきます
- しょうがい児の放課後等デイサービスおよび児童発達支援のサービスの適正な支給と併せ、夏休み期間中の日中一時支援事業の充実に努めます
市民のくらしを創る
4大プロジェクトの推進
- 屋内総合スポーツ施設については、用地測量などを進めます
- 新斎場については、PFI手法に基づき実施事業者の募集、選定を行います
- 新最終処分場については、環境影響評価および実施設計、リサイクルセンターに係る実施設計などに取り組みます
- JRめいしょう線の全 線復旧に向けて、調査、設計、一部工事を実施します
活力あるまちづくり
- 中勢バイパスの未供用区間の整備を要望するほか、国道・県道を含めた体系的な道路連携軸の形成を図ります
- 企業誘致の推進については、市長就任以来、5社の立地が決定。さらに、あらゆる機会を通じた積極果敢な誘致活動を展開していきます
- 被害が深刻化している有害鳥獣対策については、1月に設置した広域獣害対策連絡協議会を通じた取り組みの推進とともに、イノシシの個体数調整を促進します
- 老朽化が著しく、早急な耐震化が必要な津市中央公民館、津市 社会福祉センターについては、津センターパレスの一部を区分所有する形で整備を進めます
- 経営改革が迫られるポルタひさいについては、あらゆる角度から今後の対策を検討します
- 中心市街地活性化に向けては、市民との意見交換を通じた協議の場を設定します
- 20年に一度開催される市の無形文化財である香良洲地域の「お木曳[きひ]き行事」については、平成25年3月の開催に向け、観光PR事業などを通じた支援を行います
子育て環境、教育環境の整備
- 保育所待機児童の削減を図るため、民間保育所の整備を促進します
- 子ども医療費助成については、7月1日から県の制度に先駆け、小学6年生までの子どもを対象とした通院費の助成を開始します
- 教育環境の整備については、小学校・中学校の耐震改修が平成23年度末で完了することから、今後、老朽化した施設の計画的な改修を検討します。平成24年度は、11億円程度の予算を確保し、まずは、白塚小学校およびかんべ小学校、一身でん小学校の大規模改修に着手します
- 美杉小学校の裏山で発生した段差については、引き続き、三重県に対し早期の工事着工を要望します
- 幼保一元化については、保護者のニーズに対応した取り組みが行えるよう、保護者をはじめ、関係者の皆さんとの意見交換会をスタートさせます
平成24年度財政運営
一般会計の規模は約1,002億円
- 一般会計の規模は、平成23年度の実質的な予算規模となった平成23年6月補正後の額と比べ、約0.6パーセント減である約1,002億円としました
- 津市としての行政課題に的確に対応する予算、公約に掲げた政策課題の実現に向けた予算、将来にわたる健全な財政運営を踏まえた予算という視点で編成しました
【編成のポイント】
- 人件費、公債費は前年度に比べ減額となる一方で、防災対策や4大プロジェクトの推進など必要な事業へ重点配分する「メリハリを付けた予算」とし、投資的経費については、前年度比2.3パーセント増の約106億円を確保
- 平成23年度末の市債の借入残高は臨時財政対策債を除き約539億円で、平成22年度末と比較して約53億円の減少
- 新規の起債については、合併特例債など有利な起債を活用
- 財政調整基金については、平成23年度末の残高が約149億円で、平成22年度末と同様の高水準を維持
行財政改革の取り組み
定員管理の適正化
- 津市行財政改革大綱に位置付けられた正規職員2,500人体制の早期実現を効率化された津市役所としてのスタートと捉え、市民の意向を踏まえた政策実現ができるよう、限られた人的資源を最大限に活用していきます
職員の意識改革、組織風土改革
- 情報共有の徹底、信頼関係を基盤としたコミュニケーションの充実、服務規律の確保と法令遵守[じゅんしゅ]の徹底などに取り組みます