登録日:2016年2月25日
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ポルタひさいは、平成10年8月に市街地再開発事業により近鉄久居駅前に建てられた商業施設と共同住宅などからなる複合ビルです。このポルタひさいの駐車場や商業床は、市が出資をする第三セクターの久居都市開発株式会社が保有していますが、現在、経営上の問題を抱えています。このポルタひさいが抱える問題がどういうことなのか、津市PRキャラクターのシロモチくんとゴーちゃんが分かりやすく解説します。
問い合わせ 都市整備課 電話番号229-3183 ファクス229-3336
ねえねえ、シロモチくん。新聞でも話題になってるけど、「ポルタひさい」ってどんな問題なの。
それはね、平成10年8月に約147億円の事業費を掛けて住宅と商業施設を兼ねた「ポルタひさい」を造ったんだよね。だけど、住宅のところは売れたんだけど、商業施設のところがほとんど売れなくて、事業をやっていた久居駅前地区市街地再開発組合が約44億円の借金を返せなくなったんだ。
え、そんなに借金があったの。
それ、どうしたの?
借金が返せなくて困った再開発組合が、平成13年2月、ポルタひさいの駐車場を買ってもらう予定だった久居都市開発っていう会社とお金を借りた銀行を相手に、裁判所へ調停してほしいって申し出たんだ。
久居都市開発はポルタひさいの駐車場などを管理する目的で設立された会社で、合併前の旧久居市が8,700万円出資して会社の筆頭株主になっているんだよ。
その後、長い間いろいろ議論があったみたいだけど、平成16年6月に、再開発組合から久居都市開発が12億6,000万円で資産(駐車場・駐輪場15,261平方メートル、商業床5,659平方メートルおよび区分所有の土地)を買い取ることで決着したんだ。
へー、それじゃ、問題は解決したんじゃないの。
そうじゃないんだ。久居都市開発は、銀行から9億2,000万円、旧久居市から2億円のお金を借りて買ったんだけど、金融機関から久居都市開発が借金の返済ができないときには、旧久居市が損害を担保する契約をしてくれと言われて、そういう契約をしてるんだ。
えーー。じゃあ、今は津市がその責任を負ってるっていうことなの?
そうなんだよ。で、この久居都市開発は、これまで経費削減に努めて、家賃収入から減価償却や借入金の返済を含む経費を差し引いた若干の利益を出しながらぎりぎりの経営をしてきているんだけど、平成26年からは旧久居市から借り入れた2億円の償還(毎年約1,300万円)が始まるんだ。
元金だけでも3,500万円を返済しなくちゃいけないんだけど、その資金が用意できないことになりそうなんだよ。
そうなの?じゃあ、会社が払えないとなると、今の津市が返済を肩代わりすることになるから、市の問題でもあるのね。
そういうこと。久居都市開発は平成16年に計画的な資金運用のための収支シミュレーションを作っているんだけど、実際には計画通り借入金の返済に充てる資金がたまってはいないんだ。
それは大変だよね。でも、もともとそのシミュレーションに無理はなかったの?
そう、この収支シミュレーションにはもともと無理があると言えるね。例えば、健全な会社経営をするのなら、中・長期の修繕計画がないといけないんだけど、全くないとかね。
そうそう、もっとすごいのは、短期プライムレートっていう金利水準でお金を借りることになってるんだけど、返済が終わるまで1.1パーセントで計算されているんだ。短期プライムレートって、これまで一番低くても1.375パーセントまでしか下がったことがないんだ。逆にバブルの時は8パーセント台まで上がったことがあるんだけど、これからはそこまで上がることはないと思うんだけどね。
平成16年に久居都市開発が借金をしちゃったときから、こうなるのは分かっていたんだね。35年にわたって家賃などの収入は一定に入ってくる想定なのに、長期の修繕計画がないなんておかしいよね。
そうなんだ。それに加えて昨年末に大手スーパーマーケットがポルタひさいから退去したことで、この経営危機がやって来るのが1年から2年早まっちゃったんだ。
へーー。そういうことがあるとは全然知らなかった。それで、どうすればいいの?
んーー。いろいろあるだろうけど、例えば持ってる資産や事業を売却したりして、根本からの解決策を考えないとね。
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