「広報津」平成26年4月1日/第199号(音声読み上げ) 県政だよりみえ&広報津タイアップ企画第13回市長対談特別編

登録日:2016年2月25日

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第13回市長対談特別編  県政だよりみえ&広報津タイアップ企画

映画「WOOD JOB! (ウッジョブ!)-神去なあなあ日常-」公開!

 1月31日、三重県首都圏営業拠点「三重テラス」で、映画「WOOD JOB!(ウッジョブ!)-神去[かむさり]なあなあ日常-」の5月10日公開を前に、原作者で直木賞作家の三浦しをんさんと監督の矢口史靖さんを鈴木英敬知事と一緒に訪ね、原作本の話や映画の撮影秘話などをお伺いしました。

市長 県政だよりみえと市町の広報紙のタイアップ企画というのは、初めてのことですね。

知事 そうですね。4月から県政だよりみえはデータ放送に変わります。その第1回目の企画にもなりますので、とても記念になります。

市長 いよいよ5月10日に映画が公開になります。まずは、原作者の三浦さん、「ウッジョブ!」をご覧になった感想はいかがでしたか。

三浦 とても楽しい映画でした。津市をはじめ、三重県の風景がたくさん映っていて、山もすごくきれいで、そして楽しい暮らしが描かれていて、感激しました。

市長 矢口監督いかがですか。

矢口 とてもうれしいですね。これまでの映画は全てオリジナルだったんですが、「神去なあなあ日常」(徳間書店刊)を読んで、ぜひ映画化してみたいと思い、お願いをしました。小説の舞台自体が美杉町をメインにした景色から発想されていましたので、美杉の景色なしには撮れないだろうということで、津市の美杉町をメインに全面的に撮影させていただきました。

市長 私も先日、鈴木知事と一緒に試写会にお招きいただきました。知事はいかがでしたか。

知事 三重というと「海」をイメージする人が多いと思いますが、実はこんなに美しい山や森もあるんだというところがとてもきれいに映像化されていてうれしいです。さらに三重県の森で一人の若者が成長していくストーリーが心温まる映画でしたね。

市長 美杉のこと森のこと、そして都会育ちの主人公が林業に携わったことで変化し成長していく様子が、とても爽やかに描かれている映画でしたね。さて、三浦さんは、美杉にゆかりがあるとお聞きしましたが。

三浦 祖父母がずっと美杉で暮らしていて、父も高校に行くまでは、美杉で生まれ育ちました。私も子どものころ何度も祖父母の家に遊びにおこなっていたんですよ。

市長 そのときの記憶が原作に反映されているんですね。

三浦 山がとってもきれいで、夏は花火をしたりホタルを見たり、川で泳いで遊んだりしました。祖父が林業を営んでいましたので、林業にもとても興味があって、それで小説を書いたという感じです。

市長 矢口監督、ロケ地を決めるため、事前にかなり調査をされたそうですね。

矢口 ほとんどの作品はいろいろな所で撮影をして、編集の中で一つの場所に見せるんですが、今回の「ウッジョブ!」は、ほとんど美杉の中で撮影をすることができました。神去村は架空の村なんですが、本当にそういう村があるんじゃないかっていうくらい、ほぼ美杉全域で撮影しました。

知事 撮影中の炊き出しなど地元の皆さんの協力があったとお聞きしましたが。

矢口 美杉の皆さんにはとてもお世話になりました。

市長 美杉総合支所の職員も撮影場所探しのお手伝いをするなど、地元の皆さんとのパイプ役となりました。

矢口 撮影前から撮影場所の選定や建物の提供など長期にわたりお世話になり、とても感謝しています。また、映画にはお祭りのシーンがありますが、この場面にはたくさんのふんどし姿のエキストラが必要だったのですが、延べ1,600人もの皆さんに参加いただき、とても迫力のある映像が撮影できました。本当に皆さんの協力のおかげだと思っています。

知事 三浦さん、林業をテーマに執筆された際の苦労話などはありましたか。

三浦 山の傾斜の厳しさとか、木や山のスケールの大きさとか、文章ではなかなか表現しづらいところがありましたね。でも今回の映画化のお話を聞いたとき、映像なら山が宿している迫力と美がもっと伝わるだろうなと思って、とても期待していました。映画の中では期待以上のものすごい映像の連続でご覧いただいた人は多分びっくりされると思います。

知事 林業がテーマということについて矢口監督はいかがですか。

矢口 僕自身が林業について全く素人なので、主人公の勇気と同じ気持ちで取材に行き、発見や驚きをそのままシナリオにしていったんです。でも実際に撮影に入ったときは、やっぱりすごく厳しい場所なんだなっていうことを感じました。この映画は吹き替えやCGは一切なくて、枝払いの作業シーンでは、俳優の皆さんに実際に20メートルくらいの高さの木に登ってもらっているんです。

市長 実際に木に登って演じられているからこそ、臨場感のある素晴らしい映像になるわけですね。

矢口 木の上での作業シーンを地面から撮っただけでは、高さや怖さが伝わりにくいので、同じ高さまでカメラを上げて撮影を行いました。これがとても大変な作業で、何台かのクレーンを使い機材とスタッフを持ち上げるなど、地上での撮影に比べ5倍から10倍は手間がかかりましたね。

三浦 私も撮影の様子を見ましたが、山なので大きなクレーンを置く場所もそれほどないんですよね。そんな中、スタッフの皆さんがクレーンに登って撮影をされていましたので、本当にびっくりしました。

市長 この映画は、都会暮らしの主人公(勇気)が、山に入ってだんだん山の魅力に魅せられて、山を好きになっていき、そしてそこにいる人も好きになっていくという過程がとっても爽やかに描かれている映画だと思います。

三浦 実際にこういう子いそうだなっていう感じで、チャラさと純粋な部分とのバランスがとてもいい感じに表現されていますね。

市長 原作でもそういう感じですよね。

三浦 いやあ、原作よりも映画のほうが、より現代っ子感がリアルだと思います。すごく繊細で、情熱的な部分も持っているっていう感じがとても良かったです。

矢口 映画では主人公の勇気が体験している視点で見せていこうとシナリオを書くときから決めていました。映画をご覧になる皆さんは、彼と一緒にローカル線に乗り、村に到着し、携帯電話もつながらない村にいられるのかなって不安を感じ帰りたくなったり、心細くなったりしつつ、村の人々とのつながりのなかで、だんだん村のことを好きになっていくという疑似体験をするような感じですね。

三浦 映画を見て、劇中に出てくる子どもたちが生き生きと遊んだり、会話したりしてるところが、神去村っぽくて、美杉で撮影した風景とすごくマッチしているなと思いました。

市長 子どもたちにも見ていただきたいですね。

三浦 そうですね。ぜひご家族で見てほしいですね。

知事 映画を見て思ったんですが、俳優の皆さんは三重弁がとても上手で驚きました。

矢口 実は三重弁の翻訳は専門家に依頼したものではなく、地元美杉の皆さんにお願いをしました。実際に台本を録音してもらって、俳優の皆さんはそれを聞いてセリフを覚えていただいたんですよ。語尾とかイントネーションだけでなく、言葉と言葉の間もとても自然に表現できたと思っています。

市長 「神去なあなあ日常」の「なあなあ」という言葉には、三浦さんの思いがこもっていますね。

三浦 この言葉は私が勝手に作ったものなんですよ。ゆっくり行こうとか、落ち着けとか、くよくよするなっていう感じですね。のんびり行こうっていうことです。

市長 明るい未来に向かってのんびり行こうっていう気持ちがすごく伝わってくる、素敵な語感になっていますね。

三浦 ありがとうございます。

市長 さて、原作はめいしょう線に乗って駅を降りるシーンから始まりますが、現在めいしょう線はバスによる代行運転をしているんです。

矢口 そうなんですよね。ぜひめいしょう線で撮影したかったんですが、運休中ということで残念ですが、撮影をすることができませんでした。

市長 平成28年の春には、めいしょう線が再開通し、主人公の勇気と同じように、めいしょう線に乗って美杉を訪れることができるようになります。「ウッジョブ!」の公開を、美杉はもちろん津市全体が楽しみにしていますし、三重県内の皆さんにも見ていただきたいですね。

知事 そうですね。三重県の皆さんには、自分たちの地域にはこんなにいい所があったんだとあらためて感じていただければと思いますし、県外の人たちには、三重県に行くとあんないい所があるんだという風に思っていただければと思います。ロケ地マップなども作ってPRしていこうと思っていますので、ゆっくりとなあなあな気分で三重県に来てほしいですね。

市長 では、三浦さんと矢口監督から皆さんにメッセージをお願いします。

三浦 「神去なあなあ日常」を原作に素晴らしい映画にしていただきました。三重県のすてきな風景がたくさん映ってますので、ぜひぜひ劇場へ足をお運びいただければと思います。

矢口 三重そして津市美杉の皆さんのおかげで、ものすごい映画が完成しました。山いっぱい、緑いっぱい、素晴らしい村の景色が映っていますし、娯楽映画として、びっくりするような楽しい映画です。小さい子どもさんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、誰でも楽しめますので、ぜひ映画館でお楽しみください。

市長 知事からも一言お願いします。

知事 今回の映画「WOOD JOB!(ウッジョブ!)-神去なあなあ日常-」はまさに三重県の財産です。三重県津市美杉を舞台に撮影されたこの映画をぜひたくさんの人に見ていただき、地域の活性化や発展につなげていけるよう、前葉市長と一緒にしっかりと全国に向けてPRを進めていきます。

市長 三浦さん、矢口監督、鈴木知事、今日はありがとうございました。

三浦 しをん(みうら しをん)さん
東京都出身。作家。2000年、書き下ろし長編小説「格闘する者に○」でデビュー。2006年「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞を受賞。2012年には、「舟を編む」で本屋大賞を受賞。「神去なあなあ日常」の続編に「神去なあなあ夜話」がある。

矢口 史靖(やぐち しのぶ)さん
神奈川県出身。映画監督。1993年「裸足のピクニック」で劇場監督デビュー。2001年「ウォーターボーイズ」が大ヒット。2004年「スウィングガールズ」、2008年「ハッピーフライト」、2012年「ロボジー」と数々のヒット作を世に送り出している。

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