「広報津」平成26年7月16日/第206号(音声読み上げ) 歴史散歩(98)

登録日:2016年2月25日

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歴史散歩(98)

入田古墳

 国道165号を白山 地域から久居インターチェンジに向かって進むと、庄田町地内の左手に史跡の案内標識が目に入ります。ここが、市指定史跡の入田[にゅうだ]古墳です。
入田古墳は、直径約18メートル、高さ約3.6メートルの円墳で、横穴式石室があります。6世紀後半に築かれたものと考えられており、石室の内部には2基の組み合わせ式の石棺を見ることができます。昭和39年、国道の改良事業に伴い発掘調査が実施され、昭和46年、市の史跡に指定されました。
 古墳の入口側部分は墓室に通じる羨道[せんどう]、奥の墓室に当たる部分は玄室と呼ばれます。入田古墳の石室は羨道から見て玄室の幅が左右両方に広がる両袖式石室です。横穴式石室には他に、玄室部分の幅が左右どちらかにだけ広がる片袖式石室や、羨道と玄室が同じ幅の無袖式石室などがあります。入田古墳の石室は、全体の長さが8.7メートル、そのうち玄室部分は長さ5.7メートル、幅は広いところで1.6メートルほどになります。
 石室内の2基の石棺は、いずれも板石を組み合わせて造られており、いちし地域の井関周辺で採取される「井関石[いぜきいし]」が使われています。奥壁付近に置かれているものは石棺としてはやや小さく、長さ1.4メートル、幅65センチメートルほどです。発掘調査では、この石棺の中から鉄製の刀や矢尻が出土しました。もう一方の石棺は側壁に沿って置かれており、長さ2.4メートル、幅は同じく65センチメートルほどです。この石棺からは、鉄製の刀のほか、耳飾り、玉類も出土しました。また、石室の中からは土器、鉄製の刀、鉄鉾[てつほこ]、鉄釘などのさまざまな遺物が出土しており、石棺の数やこれらの遺物の出土状況から、複数の人物が同じ石室に埋葬されたことが分かります。
 入田古墳は現在、地元の自治会の皆さんによって維持管理が行われています。
当時の埋葬の様子がよく分かりますので、一度立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

注:国道165号が緩やかにカーブする場所にありますので、見学の際は車にお気を付けください。

 

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