「広報津」平成27年4月1日/第223号(音声読み上げ) 第21回市長対談-ジュネーブ州との経済交流を通じて-

登録日:2016年2月25日

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第21回 市長対談-ジュネーブ州との経済交流を通じて-

 平成26年11月26日、スイス連邦共和国・ジュネーブ州元ジュネーブ市長(現ジュネーブ州議会議員)のピエール・モデさんをお迎えし、ジュネーブ州との経済交流について、前葉泰幸[まえばやすゆき]市長がお話をお伺いしました。
 対談は英語で行われましたが、日本語訳でお届けします。

市長 本日はスイス連邦共和国・ジュネーブ州議会議員のモデさんをお迎えしました。モデさんは前職としてジュネーブ市長を務めておられました。モデさん、ようこそ津市にお越しくださいました。

モデ ありがとうございます。

市長 今回、モデさんはジュネーブ州経済ミッション団の団長として来日され、16名の団員の皆さんとともに、大阪から東京への行程の途上、津市にお立ち寄りくださいました。津市が東京、大阪と同様、訪問都市として選ばれ、こうして訪問団の皆さんをお迎えできたことは大変光栄に思います。それでは最初に、今回の訪問団の来日目的や津市に来られたきっかけについてお聞かせくださいますか。

モデ ジュネーブ州の経済担当大臣として皆さんにお目にかかることができ、大変うれしく光栄に思います。また何より、津市の皆さんのお出迎えに御礼申し上げます。私がここにおりますのは、協力協定で結ばれた2つの都市の間の強固な関係の証しです。日本とスイス両国にとって2014年は、経済的のみならず、より広く文化的見地からも記念すべき画期的な年に当たります。
 ジュネーブは日本の首都、東京とも深い結び付きがあり、「ジュネーブ・品川友好協会」との交流によって、前職・ジュネーブ市長時代にも両都市間のつながりの強化に努めることができました。それ故、私にとって日本はなじみのない国ではありません。津市への訪問は今回が初めてですが、津市を訪れずして日本を視察したなどとはとても言えないでしょう。
 ご承知のとおり、私たちの経済戦略では特にバイオ技術、保健、そしてイノベーションといった分野で、日本企業が大きな役割を果たしています。この美しく活気にあふれた津市への訪問が、津市とジュネーブとの末永い関係における新たな第一歩です。あらためまして本日ここ津市にお迎えいただき、この協力関係を成し得たことに感謝いたします。

市長 津を訪れずして日本を視察したことにはならないとは!もったいないお言葉です。

モデ いえ、そのとおりです。

市長 私は、2012年の11月にジュネーブを訪問し、OPI(ジュネーブ州産業振興機構)との地域間産業協力協定の調印式に臨みました。このOPIは大企業と同様、中小企業の支援をおこなっております。そこで私たちは、メカトロニクス、クリーンテクノロジー開発などの産業分野において、双方の利益をもたらす結果を目指して協定締結に至ったわけですが、その他の分野においても津市とOPIの間で協力して振興に資する活動をできればと思っています。この協定を基に、さらなる経済交流を目指してサポートしていきます。本日は、ジュネーブ州経済ミッション団の皆さんにささやかな歓迎会を催し、スイスと津市内の中小企業間での情報交換の場を持ちました。
 国際ビジネスの場において、公的機関が民間企業をサポートすることの可能性について、ご意見をいただけますか。

モデ まず、ここで重要なポイントを申し上げたいと思います。
 津市の振興策について特に着目すべき点は、自治体の経済担当責任者の立場から申し上げますと、ジュネーブと津市との間には経済振興政策においていくつかの類似点が見受けられることだと思います。スイス国内、とりわけジュネーブにおける大多数の雇用は中小企業によって創出されており、このようなわれわれの協力関係が、津市とジュネーブが互いに両輪となって産業振興推進に資することになるのです。ジュネーブ州政府は経済的パートナーとの『アクセス性(近寄りやすさ)』が良く、緊密かつ良好な関係を保ち続けるよう努めています。『近さ』は本当に重要な要素ですし、私の役割はビジネス界からの声を聴き、彼らをサポートすることです。
 今日、私がここにいるのはそのためです。経済振興機関を通じ、ジュネーブ州は戦略的分野において大きな成功を収めたのですが、とりわけ注目すべきはアメリカ、アジア企業の新たな進出によって、多数の雇用がもたらされていることです。最近の例としては、日本の大手製薬メーカーを誘致できたことはうれしく思っています。他の日本企業に関する案件についても現在進行中です。
 グローバル企業にとって、ジュネーブを新たな進出地として選ぶ動機となる魅力的な要素のうちのいくつかに、ジュネーブの最高水準のインフラ整備、とりわけジュネーブ国際空港があると考えています。ここから120の空港へアクセス可能ですし、年間1,500万人が利用するなど、無類の国際環境にあるのです。それだけではありません。ジュネーブには国際連合をはじめ、CERN(欧州原子核共同研究機構)、WIPO(世界知的所有権機関)、WTO(世界貿易機関)など、およそ30の国際機関の本部が置かれており、そのことがジュネーブを国際統制の中心地たらしめています。
 ビジネスにおいて魅力的で効果的な環境であることは安定的かつ柔軟な労働規定が示すとおりで、企業にとって好条件がそろっています。

市長 両国の企業間の連携について熱意をお持ちなのですね。われわれも民間企業に対しての良いサポートやビジネスマッチング支援、さらには両国、両地域間でのコラボレーション事業の可能性など、できることはあるでしょう。2都市間が協働することの重要性についてお話しいただきありがとうございました。
 ところで、モデさんは州の経済担当だけでなく、セキュリティ分野のご担当でもいらっしゃいます。続いて、市民の安全を守る取り組みや、情報テクノロジー関連などの取り組みについてお話しいただけますか。

モデ 私はこれまで市民のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を目指す取り組みを続けてきました。その中で、今月「世界で最も住みやすい都市」にジュネーブが選ばれたことを誇りに思います。
 それでもなお、安全のためにできることは尽きません。私の第二の職務、防犯セキュリティ分野で現在取り組んでいるのは、警察官の増員、そして最新技術への投資です。例えば、ジュネーブの一部地域では映像監視システムを導入しました。セキュリティ分野において抜きんでた日本の技術に対し、私たちが積極的に投資できることをうれしく思います。

市長 ありがとうございます。今日対談をおこなっているこの部屋の窓からは津市の中心市街地の風景をご覧いただけます。私はこのまちが清潔で、安全なまちであると誇りに思っています。ご覧のとおり市中心部は通行量も多く、幹線道路近くの住民の皆さんにとってはご不便をお掛けしているところもあるでしょう。しかし、交通は市民の安全を守るだけでなく、運転者の安全を守るためにも完全にコントロールされているのです。
 モデさんには、ジュネーブ州での重要な職務についてお話しいただきましたが、実際に日本に来られたことで、自国との違いをいくつか感じられたことでしょう。最後に、お言葉をいただけますか。

モデ あらためて御礼申し上げます。非常に有意義な滞在となりました。ぜひ、また日本を訪問したいと思います。

市長 本日はありがとうございました。

 

スイス連邦共和国・ジュネーブ州議会議員
ピエール・モデ

1978年生まれ。スイス連邦共和国・ジュネーブ州元ジュネーブ市長。現ジュネーブ州議会議員(保安・経済省の参議職(州政府の大臣職に相当))。2011年5月ジュネーブ市長に当選(歴代最年少のジュネーブ市長として就任/任期1年間)。2012年6月ジュネーブ州議会議員に初当選。2013年11月に同再選。津市が産業協力協定を締結しているジュネーブ州産業振興機構(OPI)代表理事を務める。

市長対談は津市ホームページ・市長の部屋の市長対談でもご覧いただけます。
ホームページ 「津市 市長対談」で検索

 

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