「広報津」平成27年6月16日/第228号(音声読み上げ) 歴史散歩(109)

登録日:2016年2月25日

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裏表紙

歴史散歩(109)

市指定文化財 江戸橋常夜燈[じょうやとう]

 江戸橋常夜燈は、江戸橋西詰めの伊勢街道と伊勢別街道の分岐点にありましたが、志登茂川の河川改修に伴う江戸橋の架け替えと道路拡幅のため、今年2月、北側の隣接地に移築されました。
常夜燈は、一般には夜道などの安全を確保するために一晩中火をともしておく、現在の街灯の役目を果たしていました。特に伊勢神宮への参拝者のために建てられたものを参宮常夜燈といい、江戸橋常夜燈もその一つです。正面に伊勢神宮信仰の象徴とされる太一[たいち]を示す「○[まる]」の記号が刻まれています。また、刻銘から安永6(1777)年に建てられたことが分かり、竿石[さおいし]の背面には「嶋田氏」と寄進者名が刻まれています。この種の常夜燈は多くの寄進者があるのが普通ですが、このように一人での寄進は珍しい例と言えます。
今回の移築に伴い常夜燈を解体し下部の構造を調査したところ、次のことが分かりました。
(1)基壇の最下段は土に埋もれていて、本来基壇は5段あった。
(2)常夜燈の周囲を巡る石製の柵の基礎が見つかり、以前は寛政9(1797)年に刊行された「伊勢参宮名所図会」に描かれているような石柵が存在した。
(3)基壇の下から小型の陶器の壺が出土し、常夜燈を建てる際に安全を祈って埋められたと考えられる。
このうち石柵の基礎の存在はこれまで全く予想されていませんでした。柱などはすべて失われていますが、東側の中央に柱穴[はしらあな]のない部分があり、そこを出入口にして、夜ごと常夜燈に火をともしていたことが推測されます。
梅雨の晴れ間をみて、江戸橋周辺を散策してみてはいかがでしょうか。

 

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