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上野古墳群は、戸木町の南部に広がる段丘上にある古墳時代後期(6から7世紀)の群集墳です。この時期になると、それまでごく限られた権力者だけが造っていた古墳を、小集落の有力者も造るようになり、小規模な古墳が急激に増えました。
上野古墳群の存在は古くから知られていて、昭和初期には円墳が15基確認され、中には直径26m、高さ3mもある大型のものもありました。しかし、現在残っているのは7基だけで、いずれも直径10m前後のものばかりです。
また、古墳群付近の宅地造成に伴う発掘調査によって、周溝(墳丘の周りに巡らせた溝)と考えられるものが7基ほど見つかっていて、墳丘は失われていますが、同時期の上野古墳群と一連のものと考えられます。この内、最も東寄りで見つかった古墳の周溝からは家形埴輪が2個出土しています。埴輪は底の部分を合わせて横倒しに置かれていたことから、ひつぎとして利用されていたと考えられています。
通常、埴輪は古墳の上に立て並べられるもので、ひつぎとして利用される家形埴輪は珍しく、また、茅葺屋根の家屋を模していることから、当時の住宅様式を考える上でも貴重な資料です。
現在、上野古墳群は、地元の皆さんによって手入れされていて、丸くこんもりとした古墳群のきれいな姿が見られます。1500年の時を経て今も残る古墳の前で当時の風景を思い描いてみませんか。
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