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津市の救急件数は年々増加しており、平成17年からの10年間で出動件数は約32パーセント、搬送人員は約24パーセント増加しています。
津市消防本部では13台の救急車が日々活動していますが、搬送者の約半数が入院を必要としない軽症患者です。必要に迫られて救急車を要請し病院に搬送されたものの、結果的に軽症であった場合もありますが、中には、「風邪をひいた」など明らかに緊急を要しない人からの要請が増えています。
また、病院への受け入れ照会回数については、3年前と比較すると、2回までの照会で受け入れが決定したものと3回以上照会を要したものの割合が、それぞれ1.13ポイント改善しており、「動き出さない救急車問題」の解決に向けて着実に前進しています。
過去10年間の搬送人員と傷病程度
平成17年 10,493人 軽症52.6パーセント
平成18年 10,701人 軽症53.4パーセント
平成19年 10,961人 軽症54.3パーセント
平成20年 10,748人 軽症54.3パーセント
平成21年 10,925人 軽症55.0パーセント
平成22年 11,530人 軽症54.7パーセント
平成23年 12,199人 軽症55.1パーセント
平成24年 12,722人 軽症54.5パーセント
平成25年 12,995人 軽症53.4パーセント
平成26年 13,041人 軽症53.4パーセント
救急搬送人員は増加傾向
約半数は軽症患者
救急搬送照会件数
1・2回
平成24年 10,544(82.88パーセント)
平成25年 10,911(83.96パーセント)
平成26年 10,956(84.01パーセント)
1・2回の割合が増加
3回以上
平成24年 2,178(17.12パーセント)
平成25年 2,084(16.04パーセント)
平成26年 2,085(15.99パーセント)
3回以上の割合は減少
この装置を使って心電図を詳しく測定し、その結果を病院へ送ることで、受け入れの照会をスムーズに行うことができます。また、病院にいる医師は、送られてきた情報をもとに救急車内の患者を診察することができるため、病院での検査時間を短縮し、救急車が病院に到着するまでに処置の準備を行うことができます。
心電図を送ることで、病院に到着してから治療が完了するまでの時間は、平成24年と平成25年を比較すると、38分短縮しました。
平成24年 | 1時間34分 |
---|---|
平成25年 | 56分 |
比較 | 38分短縮 |
三重県CCU研究会発表データから引用
平成26年4月1日に救急救命士法が改正され、救急救命士が行える処置範囲が拡大しました。
津市では県内で先駆け、平成26年5月17日から次の処置を実施しています。
処置範囲の拡大開始から平成27年8月末までに、静脈路確保を41件行い、ショック状態の進行を遅らせることができました。また、ブドウ糖溶液の投与を15件行い、そのうち11件が救急車内で意識を回復しました。
処置(1)
心臓や呼吸が止まった患者にしかできなかった静脈路確保が、心肺停止前の患者に対しても行えるようになった。
ショック状態の進行を遅らせ、救命率
の向上が期待
処置(2)
低血糖が疑われる患者に対して、血糖測定と低血糖を改善できるブドウ糖溶液を投与できるようになった。
救急車内での意識の回復が期待
処置の事例
事例(1)
症例 70歳男性が、食道静脈瘤[りゅう]の破裂により多量に出血し、非常に危険な状態に
処置 救急救命士による静脈路確保
結果 一週間で退院
事例(2)
症例 50歳代男性が、低血糖発作により意識障害
処置 救急救命士がブドウ糖を投与
結果 救急車内で意識が回復し、入院することなく帰宅
最近、119番救急通報時に「サイレンを鳴らさずに来てほしい」と言う人がいます。
消防車や救急車は、119番通報を受けると1秒でも早く現場に到着するために、緊急出動しなければなりません。サイレンを鳴らし赤色灯をつけて走行することが決められています。
また、「サイレンを鳴らさずに来てほしい」と言われたケースのほとんどが軽症患者の搬送で、これにより重篤患者への対応が遅れてしまうことも少なくありません。
本当に救急車が必要かどうかを冷静に考え、救急車の適正利用をお願いします。
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