あけぼの 平成24年11月16日発行(音声読み上げ) 特集 思いを語り合う中学生たち

登録日:2016年2月25日

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特集 思いを語り合う中学生たち

-伝えたい…でも言葉にできない思いがある。それを受け止めてくれる仲間がいる-

 今回は、市内の中学校の人権サークルを紹介します。市内では、ここに紹介した中学校以外にも、橋南中学校、南が丘中学校、白山中学校で人権サークル活動をおこなっています。

 いちし中学校人権サークルは「FFC」といいます。「FFC」とはFイコールFriendship(友情)、FイコールFreedom(自由)、CイコールCourage(勇気)を意味しています。普段の活動は人権についてみんなで話し合いをしたり、人権ゲームを通じてメンバーの人権感覚を高めたりしています。「この場なら自分の考えを安心して出せる、FFCなら自分の気持ちを受け止めてもらえる」そんな仲間づくりを目指しています。そのために、自分の思いを出し合うことを大切にしながら活動しています。
 夏休みには中学生学習会の人たちや校内人権フェスタ実行委員会の人たちと一緒に人権フィールドワークを行いました。
 昨年は奈良の水平社博物館へ、今年は京都の立命館大学国際平和ミュージアムへ行きました。ガイドさんのお話から「戦争とは何か」ということや「無視された人権」「失われた命の重み」など、みんなが多くのことを学びました。
 また、いちし中学校区子ども人権フォーラム「明日のいちし町の人権を考える子ども会議」では、小学生との意見交換をしながら、縦のつながりづくりをしています。
 さらに、地域の高校生や青年によるいちし町青少年友の会「いい友」との交流をおこなったり、手話や点字に挑戦したりしています。まだまだ知らないことがたくさんあるので、FFCの活動を通じていろんなことを学んでいきたいと考えています。
 こうしたFFCの活動を校内人権フェスタで紹介し、仲間を広げ、いちし中学校全体に、そして地域に人権の輪を広げていきたいと思っています。

 豊里中学校人権サークル(SMAP)は、2年生を中心に構成されています。発足のきっかけは、1年生当初から行われている、クラスの代表者会議でした。
 そこでは、毎回学級の問題が話し合われました。繰り返し話し合われるうちに、どの学級にもよく似た問題があることが分かってきました。そして、「学年全体の問題として考えるべきではないのか」「考える仲間を増やそう」という意見のもと、1年生の2学期から本格的な発信活動が始まりました。
 徐々に参加者の人数も増えていき、それと同時に「参加しているみんなが、本気で何かしようと思っているのか」「集まって何が変わるのか」とSMAPの在り方、自分自身の在り方について問い直すことになりました。
「何もせず、何も考えなければ、何も変わらない。少しでも気付ける、意識できる自分でいることは大切。だからこの集いの場は大切だ」という意見がきっかけとなり、参加理由など、自分の思いを伝え合うところからもう一度スタートすることになりました。
 そんなSMAPは、2年生になった今、24人で活動しています。学級の問題に対して取り組みつつ、今年度は夏休みの「水平社博物館フィールドワーク」など、今の自分たちにできることを探す活動を始めています。人権学習は決して特別なものではなく、自分のすぐそばにある日々の問題であること、その中心に「自分」がいることに、少しずつ気付き始める姿がここにあります。

 美里中学校人権サークル(Rainbowの会)は、生徒自身が美里中学校にも自主的に人権について学ぶ場を創っていきたいと他校区の人権サークルの様子を学びスタートしました。Rainbowの会は、全校生徒の誰もが自分が参加したいと思ったときに参加でき、全校の約3分の2(約70人)の生徒が参加しています。会の企画や運営は、人権について積極的に考えたいという3年生の立候補による実行委員(今年は17人)が中心となって進めています。学年のつながりはもちろん、学年をこえた縦のつながりを大切にし、身近なところからいじめや差別を許さないつながりづくりを目指しています。活動は、自分たちが大切にしたい思いを漢字1字に込め、ポスターを作成して啓発活動をおこなったり、体育館で人権ゲームをしたり、テーマを決めて自分の思いや考えを交流し合ったりしています。
 実行委員の中には、「人はそれぞれ価値観が違う」「自分の思いや考えをしっかりと相手に伝えていきたい」「相手の考えを知ることで新しいことに気付き、思いをしっかり聴いて受け止めることで自分がより良く変わっていきたい」と思っている生徒もいます。
 また、地域の行事である美里人権フェスティバルでは、地域の皆さんと一緒に運営に関わり、自分たちの活動について発信しています。

 南郊中学校人権サークルは、近年だんだんと活動が停滞し、2年前にはメンバーがいなくなってしまいました。しかし昨年度、1から3年生19人のメンバーが集まり、「黒ひげメンバーズ」という名前で活動を再開しました。隣にある県立盲学校の先生たちの思いを聞く機会を持ったり、本校を卒業した人権サークルの先輩の皆さんの話を聞いたりしました。また、自分たちの思いや悩みを出し合って、それを返していくことでお互いのことを知り合う活動も行いました。その活動から気付いたことや自分で整理したことをもとに、南郊中学校区人権フォーラムや南郊地区人権フェスティバルでパネルディスカッションをしました。
 今年度は「Big Family 黒ひげーず」という名前で活動をしています。「今は7人と人数が少な
いけれど、Big Familyのように人数を増やしたい。家族のような温かい雰囲気で何でも話せるようにしたい」という思いを込めて、この名前を付けました。今は、他の中学校の人権サークルと交流をしたり、いじめについて考えることをきっかけとして、自分の思いを出し合ったりする活動をしています。
 今後は、もっとメンバー同士が、自分の生活や生活課題を語り合い認め合う活動をしながら、気付いたことや自分の思いを整理して、全校人権集会や人権フォーラム、人権フェスティバルなどで発信していこうと考えています。活動を通して、みんなが「南郊中で良かった」と思えるような学校を目指していきたいと考えています。

 教育集会所学習会(美杉中学校)では、学習会のメンバーで自分たちの思いを語り合い、伝え合う場を持ってきました。
 参加している子どもたちは、原則として月2回木曜日に集まって、お互いが自分を語れて共に行動できる、差別を許さない仲間を目指して活動しています。夏休みにおこなった水平社博物館とその周辺のフィールドワークでは、水平社発祥の地を実際に歩いて、自分の目で見てきました。そして先人たちの人権獲得の闘いや足取りを振り返り話し合う中で、一人一人学んだことを自分のものにしていくことができました。
 毎年12月に行われる「美杉人権のつどい」では、学習会のメンバーが司会・進行・受け付けなどを務めています。今までの人権学習を通して学んだことや、反差別の思いや生き方について、広く美杉中学校区の皆さんに訴えています。そのことで年々、美杉地域に人権を考える輪が広がっています。
 これからも身近なことから人権について考え、自ら発信する場として歩んでいきたいと考えています。

 

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