あけぼの 平成27年2月16日発行(音声読み上げ) 次世代につなぐ-人のつながりのあたたかさを-

登録日:2016年2月25日

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次世代につなぐ-人のつながりのあたたかさを-

 「人権」という言葉に、皆さんは、何をイメージしますか。
 私たちは、それぞれが生きる場所で人権課題に向き合っています。個人として、また社会問題としてみんなで考え、解決していかなければならない人権課題は多様ですが、自分も含めた「人」を大切にするという思いは共通です。しかし、その思いを具体的な形にして行動していくことは、口で言うほど容易ではありません。
 今回取り上げた「津市中学生人権フォーラム」は、市内の各地域でさまざまな活動をしている高校生や青年たちの、次世代の中学生たちに「人権を考えるということの意味」を伝えたいという思いが形になったものです。彼らが大切にしてきた「人がつながることの価値」「人のつながりを切るいじめや差別を許さない生き方をしていきたいという熱い思い」の一端をお届けします。
 また、人権をテーマにした地域の人権フェスティバルも各地で開催されています。今回は、地域の子どもから大人までをつなぐ「美里人権フェスティバル」の紹介です。こうした活動を通じて、誰もがつながり安心できる地域をつくろうという活動が、各地で広がってきています。
 各地域の取り組みに学びながら、活動に込められた思いと人のつながりの温かさを、そして、人権が守られているということの価値を、若い世代にもしっかりと伝え広げていきましょう。
 

市民人権講座を開催

 昨年の8月20日、市民人権講座が開催され、多文化共生ネットワーク「エスペランサ」の青木幸枝代表のお話を聞くことができました。
 エスペランサは、2008年のリーマンショック以降の不況で、失業により生活が困窮した子どもたちの家庭を支援するため立ち上がったグループで、厳しい生活の中でがんばっている人たちを応援するため、市民の皆さんの想いにより集まった食料品や日用品を配っています。その多くが外国につながる子どもの家庭のため、日本の生活に必要な情報を伝えたり、さまざまな相談をおこなったりしています。
 講義の中で、青木代表が出会った外国につながる子どもの話が出てきました。ある日、外国につながる子どもたちと「日本の友達に分かって欲しいこと」を伝えるための話し合いをしていた時のことです。ずっと黙っていた女の子が「私、ある」と突然立ち上がり、「どうして外国人が悪いことをすると、私たちみんなが悪いかのようなことを言われないといけないの。他の外国人がした悪いことで、私までひとくくりに悪い人のように言われるのが、とても悔しい」と涙ながらに話したそうです。そして「私たちは、一人一人違った人間だということを、分かって欲しい」とも話したそうです。「外国人だから」という周囲の偏見や決め付けが、女の子をずっと苦しめていたのだと思うと、胸が締め付けられる思いだったそうです。また青木代表は、この女の子たちにとって、日本は外国ではないと言います。なぜならば、彼女たちは日本で生まれ、日本で育ち、日本の友達と日本の学校で勉強をして、もう既に日本が故郷になっているからだそうです。
 多文化共生社会とは、国籍や文化・習慣にかかわりなく、共に尊重し合って暮らしていける社会であり、外国につながる人と日本の人が互いに理解し合い、つながり合える取り組みをみんなで続けていきたいと話していただきました。


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