「広報津」第252号(音声読み上げ)シリーズ人権、歴史散歩

登録日:2016年6月16日

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シリーズ人権 第68回

子育てから学んだこと

私には子どもが一人います。生まれて間もないころは、夜中に何度も起きて泣き続けるので、数カ月にわたって家族全員が慢性的な睡眠不足になりました。子どもの誕生の喜びの中でも、日々の生活で非常につらいと感じてしまったことがあります。全てが経験不足であったといえばそれまでかもしれませんが、子どもが想定外の行動をとるなど、育児のことを十分理解できていなかったこともあって、育児疲れで家族中がぐったりしてしまい、生活に余裕などありませんでした。

近年、マスコミなどで児童虐待に関するニュースが数多く報じられています。三重県下でも増加傾向にあり、育児をはじめとするさまざまなストレスが子どもに向いてしまって、虐待を誘発する場合が多いのだそうです。こうしたことは、どの家庭や地域にも起こり得る身近な問題ではないでしょうか。核家族化や少子化の進む今、育児経験のない新米パパや新米ママの置かれている「誰にも相談できない」という環境は、非常に厳しいものがあるような気がします。

これは私自身の経験からなのですが、子育ての悩みを家族や周囲の人、医師や看護師などに相談したことで、心の不安やわだかまりは次第になくなっていったように思います。相談するということは、本やインターネットから得られる育児の知識とは異なり、人と人との触れ合いによって、何ものにも代えられない安心感を得ることができます。これは子育てしていく上で大きな意味があるものだと思いました。また、子どもの話題を通して、周囲の人たちとも会話ができるようになり、さらには地域との新たな結び付きもできました。

子どもは、今では自分の思いを伝えることができるようになり、家族の何気ない動作や口癖もまねるようになりました。このような子どものしぐさは、私たち家族にとって、子どもが生まれるまでは想像すらできなかった楽しい日常の出来事です。

私は子育てというのは、自分たち家族だけでなく、周囲の人々にも協力してもらいながら行っていくものだと感じました。そして、子育てを通して、家族や周囲の人々との結び付きを感じ、改めて人と人とのつながりの大切さについて考えることができました。

今、自治体をはじめ、地域でもさまざまな子育て支援の取り組みがあると聞いています。温かい人とのつながりの中で、子どもと一緒に親も成長していきたいと思います。

(40代 男性)

6月の人権 ピックアップ 今日は何の日?

  • 1日 人権擁護委員の日
  • 22日 らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日
  • 23日から29日 男女共同参画週間
  • 男女雇用機会均等月間
  • 外国人労働者問題啓発月間

歩いて発見。津の魅力
歴史散歩 第121回

たかみち児童公園(ごてんやま)

久居西鷹跡町の南西、久居中学校と久居グラウンドの間に、緑豊かな児童公園が広がっています。

公園の名前に付けられている「たかみち」は、久居藩の初代藩主である藤堂たかみちの名前にちなんでいます。寛文9(1669)年、津藩二代藩主の藤堂高次が隠居し、子の高久に津藩主の座を譲る際、津藩領32万3950石のうち5万石が高久の弟にあたるたかみちに分けられ、新たに久居藩が設けられることになりました。翌年から陣屋(藩庁)や城下町の建設が始まり、寛文11(1671)年にたかみちが入府します。この時、「永久に鎮居する」という願いを込めて「久居」と名付けられました。久居藩の陣屋は、たかみち児童公園などが広がる高台に置かれ、この一帯には藩主も住んでいたことから、ごてんやまと呼ばれるようになりました。

このたかみち児童公園には、たかみちの久居入府250年を記念して大正10年に建てられた「ごてんやまの記念碑」があり、この石碑は本体だけで高さ4メートルを超える大きなもので、歴代の久居藩主の功績をたたえる碑文が彫られています。

また、公園内には昭和3年に建てられた「玉井丈次郎先生彰徳碑」もあります。玉井丈次郎という人物は、安政5(1858)年に久居に生まれ、久居小学校(現在の誠之小学校)の校長を経て桑名郡長となりますが、明治35年、病気療養のために東京に移ります。この時、日本の鉄道王といわれた実業家、雨宮啓次郎と出会ったことが、後の中勢鉄道となる津-久居間の鉄道建設へとつながりました。また、東京滞在中に、陸軍第三師団が三重県に部隊を置くとの情報を得た丈次郎は、久居がその適地であるとして誘致に乗り出し、歩兵第51連隊の招致に成功します。これが鉄道の開通と相まって当時の久居の発展に大きく寄与したことが碑文に記されています。

このほか、たかみち児童公園には、昭和8年に建てられた久居町と本村の合併記念碑や、平成6年のたかみち生誕350年を記念して建てられた句碑などもあり、句碑には、にんこうと号したたかみちの句「みやことし こうやにならば 花の春」が刻まれています。

梅雨の晴れ間に、閑静な公園に残された久居の歴史をたどってみてはいかがでしょうか。


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