「広報津」第271号(音声読み上げ)特集 施政方針から 成熟し、自立した都市として3つの気概を持ち新たなまちづくりに取り組みます

登録日:2017年4月1日

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特集 施政方針から 成熟し、自立した都市として3つの気概を持ち新たなまちづくりに取り組みます

2月27日、平成29年第1回津市議会定例会の開会に当たり、前葉泰幸市長が施政方針を述べました。今号では、その主な内容を掲載します。なお、施政方針の全文は、津市ホームページでご覧いただけます。津市 施政方針で検索してください。

合併時に約束されていたことを形に

津市の合併後、5年余が経過した時点で私は市長に就任し、その後の市政のかじ取りという重責を担ってきました。合併時に10市町村が思い描いていたまちの姿を実現すべく、一つ一つの望みや願いを着実に形にして市民の皆さまにお届けすることで、これまで全力を尽くしてきました。

4大プロジェクトを中心とした着実な事業の推進

  • 新斎場 いつくしみのもり、新最終処分場・リサイクルセンターが供用を開始し、JR名松線が全線復旧
  • 産業・スポーツセンターは今年10月にオープン
  • 雲出伊倉津町の防災物流施設が供用を開始
  • 応急クリニックが今年4月に稼働

各地域の最重要課題として引き継いだ20事業の実現

  • 美杉総合文化センター、白山消防署一志分署などの整備
  • 一志中学校校舎の大規模改造工事が今年3月に完了
  • 久居駅周辺地区のまちづくりの着実な取り組み

財政構造の転換期を迎えて

合併時に約束されていたことを形にすると同時に、合併によるメリットを最大限に生かし、健全な財政基盤を築くこともできました。

しかし、合併から11年が経過し、財政的な制度上の支えがなくなる時期が次第に近づいてきており、津市は今、財政構造の転換期にあります。

健全な財政基盤を築くための実施事項と問題点

行政の効率化

組織や業務をスリム化、効率化し、職員数を2割削減。大きな構造改革による一度きりの効果。

合併による財政上の特例措置

国の普通交付税の合併算定替えの支援措置。平成28年度から段階的に縮減。

合併特例事業債の発行。活用できる期間は残り4年間。

現在は、財政構造の転換期。

自立した都市へ

将来のためにやらなければならないことを自らで決定し、歩むべき道を明らかにして、ゆるぎない市政を展開していきます。

自立した都市として

これからは、成熟した都市として自立していかなければなりません。

平成29年度は、自立に向けた3つの気概を持って、心新たに市政に臨みます。

自立に向けた3つの気概

  1. 市民の皆さまの期待に応えると同時に将来への安心感をお届けすること
  2. 懸案事項や新たな課題に果敢に挑戦すること
  3. 身近な望みを丁寧にきめ細かくかなえていくこと
1. 市民の皆さまの期待に応えると同時に将来への安心感をお届けすること

市民の皆さまからは、教育や子育て支援への大きな期待が寄せられています。その期待に応えるべく、これまでも子どもたちの快適な学習環境を整えるため、小学校・中学校の校舎の大規模改造、増改築やトイレの洋式化などを進め、もっと安心して子育てをしてほしいとの思いから、中学生の医療費の無料化や子育て支援のための施設整備も行ってきました。平成29年度は、小学校・中学校校舎の大規模改造の工事を新たに2校、設計にも新たに2校着手し、小学校・中学校の普通教室へのエアコン設置は中学校に続き、小学校も取り掛かることにより学校の施設整備を加速させるとともに、認定こども園の整備も進めます。

こうした取り組みは大きな財政負担を伴うものです。過剰な投資は財政の健全性を損ね、次の時代につけを残してしまいます。

公共施設については、老朽化による改修や建て替えのご要望をいただいていますが、将来的に現在の全ての施設を維持していくことは困難な状況です。このような中、今年1月に策定した津市公共施設等総合管理計画は、20年後、30年後を見通して公共施設の量的、質的な最適化を図るとともに、施設区分ごとの今後の方向性を明確に示し、必要な施設の整備については進めていこうとするものです。一身田公民館は、この計画に基づき、コンパクトな形で建て替えることにしました。

未来に過剰な負担を負わせることなく、健全な財政運営の下で行われているという安心感をお届けしながら、市民の皆さまの期待にしっかりと応えていきます。

2. 懸案事項や新たな課題に果敢に挑戦すること

これまでも、長年の懸案事項や施策を進める中で浮かび上がってきた課題については、ひるむことなく取り組んできました。例えば、第3セクターの経営課題には、逃げることなく真剣に向き合い、株式会社津センターパレスの財務改善やポルタひさいの再生を成し遂げました。

地域の皆さまに望まれていた大谷踏切の拡幅や旧明村役場庁舎の保存活用には着手し、道の駅津かわげは開駅することができました。また、地域の皆さまの思いを受け止め、仮称・香良洲高台防災公園の整備を決定するとともに、防犯灯のLED化への補助制度拡充・予算充実も図りました。

1、企業誘致のさらなる推進と企業間のビジネスマッチングや創業に関するサポート体制の整備、 2、公民館・コミュニティ施設の老朽化対策、 3、高齢者の外出支援、 4、災害情報戸別受信装置の配付の4つの課題については、平成28年度、事業化に向けた検討のための調査予算を計上し、1年間という期限を設けた中で、それぞれ答えを出すことができました。

これから先、社会経済情勢や市民生活を取り巻く環境の変化により、津市はさまざまな課題に直面するはずです。その課題を安易に先送りすることなく、チャレンジ精神を持って受け止め、解決につなげます。

3. 身近な望みを丁寧にきめ細かくかなえていくこと

市民に寄り添い、市民の立場に立った行政であるべきという考え方から、身近な地域の要望に速やかに対応し、地域に頼られる存在となるよう、これまでも地域インフラ維持・補修事業の創設、総合支所長への権限、財源の付与などを行いました。加えて、地域の課題を一元化するために地域連携課も設置しました。また、獣害対策については、地域に寄り添ったきめ細かい対応ができるよう、農地を守るプロジェクトを始動しました。

平成29年度も地域の課題や望みを直接お聞きして、それを少しでも前に進めていくため、地域懇談会を引き続き実施します。平成27年10月から懇談会を始め、半年間で37の地域から1,039項目のご要望などをいただき、平成28年度は、そのフォローアップを進めながら、1月末までに新たに648項目のご要望などをいただいています。

身近な課題に対しても、市民に寄り添い、課題解決に向けて一歩でも前に進めていくことで、市民を裏切らない市政を続けていきます。

以上の3つの気概を持って市役所を挙げて取り組み、私のまちづくりの原点である、風格ある県都・津市の実現のため、力を尽くしていきます。

教育や子育て支援を施策の中心に据え、市民の望みを着実に実現しながら、地域経済がしっかりと暮らしを支え、市民が幸せに暮らしていけるまちづくりを力強く進めてまいります。

平成29年度に取り組む主な事業

未来の津市を担う子どもたちのための取り組み

  • 津みどりの森こども園・香良洲浜っ子幼児園・白山こども園の開園準備
  • 小学校・中学校普通教室へのエアコン整備(中学校への設置、小学校16校の設計)
  • 校舎の大規模改造(新町小学校工事、藤水小学校・南郊中学校の工事開始、久居中学校・西が丘小学校の設計)
  • 全ての小学校・中学校への統合型校務支援システムの導入

健やかに暮らすための取り組み

  • 平成29年4月から新しい介護予防・日常生活支援総合事業の開始
  • 高齢者の外出支援(平成29年9月から路線バス等の運賃として利用できるポイントを付与したICカードの配付、コミュニティバスの無料化)
  • 応急クリニックの開設
  • 家庭医療クリニックの開設

安全で安心な暮らしを守るための取り組み

  • 避難行動要支援者等への戸別受信装置の貸与
  • 仮称・香良洲高台防災公園の設計・一時避難場所としての高台の機能確保
  • 久居消防署南分署の解体工事・新築設計
  • 本庁舎の長寿命化への取り組み

快適に暮らせる基盤を整備するための取り組み

  • 久居駅周辺地区の整備(市道新町野口線の道路改良、駅前広場・東口駐車場・久居交流広場の整備)
  • 上浜元町線久居工区の整備完了
  • 津興橋架け替えのための用地取得
  • 中勢沿岸流域下水道志登茂川浄化センターの供用開始に向けた下水道整備計画の見直し
  • 中勢グリーンパークの遊具整備
  • 大谷踏切拡幅に向けた鉄道事業者との協議

心豊かに暮らせる環境を整備するための取り組み

  • インターハイ、国体・障害者スポーツ大会に向けた施設の整備(産業・スポーツセンターの整備、久居体育館・安濃中央総合公園内体育館・一志体育館の改修)
  • 老朽化した公民館の整備に着手(一身田公民館の解体・新築工事の設計)
  • 仮称・久居ホールの整備に向けた駐車場用地の取得

地域経済の活力を創出するための取り組み

  • ビジネスサポートセンターの開設
  • 獣害対策のさらなる推進
  • JR名松線の利用促進

国・県事業の促進

  • 中勢バイパスの河芸町三行以北の整備促進と交通渋滞対策の国への要望強化
  • 一級河川雲出川の河川改修事業のさらなる促進、海岸堤防阿漕浦・御殿場工区は国体の競技に支障が出ないよう整備促進を国へ要望
  • 国道368号下太郎生工区の改良工事、片田バイパスの片田久保町地内から片田井戸町地内の工事、二本木御衣田線の工事、江戸橋・中川原橋の橋脚工事、香良洲橋の解体工事、相川の市道相川橋から黒木橋間の改修の早期完了を県へ要望
  • 一志美杉線・亀山安濃線(高野尾バイパス)の早期整備、岩田川の早期改修を県へ要望

平成29年度予算

津市の財政構造が転換期にある中、津市の将来のためにやるべきことを自らで決定し、市民の暮らしをより良くするための取り組みを着実に進めていくための自立前進予算としました。ここ数年は4大プロジェクトをはじめとする大型事業の進捗状況に応じ、予算額については、平成27年度が最大規模となっていました。平成29年度一般会計当初予算額は、4大プロジェクトが完了することなどにより、過去3番目の規模を維持するものの、前年度比は2年連続の減となる1,129億円としました。

編成のポイント

歳出

普通建設事業費は、前年度比1.8パーセント減の167億4,000万円とし、産業・スポーツセンターや認定こども園の施設整備、小学校・中学校校舎の大規模改造などに係る経費を計上しました。

歳入

市税は景気が穏やかな回復基調にあることなどにより、前年度比2.3パーセント増の399億円、地方交付税は地方財政計画や市町村合併に伴う普通交付税の算定替えの特例措置の段階的な縮減を踏まえ、前年度比1.7パーセント減の177億円、市債は認定こども園整備事業などによる発行額の増により、前年度比4.1パーセント増の139億円を見込んでいます。また、財政調整基金90億3,000万円を繰り入れ、予算編成をしています。

新たなまちづくりに向けて

次期津市総合計画・次期津市都市マスタープラン策定

次期津市総合計画および次期津市都市マスタープランでは、これからの10年、さらにその先の未来をしっかり見据え、方向性を示さなければなりません。

市民の幸せな暮らしを実現するために何をするべきか、どの施策を優先し集中すべきか考え、決断し、実行していくことになります。まさに自立した都市として、津市の真価がこれから試されます。機を捉え、果敢に挑戦し、高みを目指して自ら変わっていくという志を持って、これまでの歩みを止めることなく前進し続けます。しなやかでメリハリのあるまちづくりに向けて、次に展開するまちづくりのビジョンを市民の皆さまとともに描いてまいります。

次代に向けた経営指針
  • 津市職員行動規範(平成26年度策定)
  • 津市行政経営計画(平成27年度策定)
  • 津市公共施設等総合管理計画(平成28年度策定)

これらを前提として、次期津市総合計画、次期津市都市マスタープランを策定・実行します。

健全な財政基盤の維持

合併特例事業債については、平成27年度末時点で借入総額が334億円になっており、今後も有効に活用することから、増加する見込みです。有利な財源とはいえ、これは借金です。その償還がこれから本格化すると、これまでのように単年度予算の財源だけで償還することができなくなる時期がやってきます。その償還のピークは合併特例事業債の発行可能期間終了後からの数年間と想定しています。

償還のピークへの備え
  • 財政調整基金の積み増し
    合併時の104億円から200億円へ(平成26年度末)
  • 臨時財政対策債と合併特例事業債を除く市債残高の縮減
    合併時の983億円から244億円へ(平成27年度末)
  • 平成27年度から減債基金の積立て再開
  • 平成28年度からモーターボート競走事業特別会計から一般会計への繰入れを12年ぶりに再開

厳しい財政状況にあっても、先を見通した長期的な視点で戦略を立て、常に新しい情報への意識を研ぎ澄まして財源を確保し、健全財政を維持し続ける質の高い財政運営を行っていきます。

愛着を感じ、これからも住み続けたいと思えるような津市へ

成熟し、自立した都市として、基礎自治体たる津市の責務として、市民の皆さまが愛着を感じ、これからも住み続けたいと思えるようなまちづくりを進め、津市は言ったことは着実に実現してくれる、どんどん良いまちになっていると思っていただけるよう、志高く市政を推進していきます。

問い合わせ

政策課 電話番号229-3101 ファクス229-3330


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