「広報津」第273号(音声読み上げ)10

登録日:2017年5月1日

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市長コラム 津市の学童保育事情

津市長 前葉 泰幸

放課後児童クラブは日中保護者が家庭にいない小学生が放課後や学期間休業中に過ごすための場所です。もともと学童保育は働く親たちの自主的な共同保育の活動として始まったものであり、核家族化の進行や共働き家庭、ひとり親の増加に伴い急激に高まるニーズに制度化が追いついていないのが実情です。必要に迫られた保護者の働きかけに応じて自治体がそれぞれ独自の施策を講じてきた経緯から各地で学童保育の多様化が進み、保育のしくみは市町村や地域によってかなり異なってきています。

学童保育には、1、市町村が設置して運営する公設公営、2、市町村が設置して保護者会など民間が運営する公設民営、3、NPOや社会福祉法人など民間が設置して運営する民設民営の3つのタイプがあります。津市では一貫して、2の公設民営の方式が取られ、その数は45にまで増えてきました。平成に入ると、3の民設民営方式の10クラブも加わり独自の理念で増加する需要に応じてくださっています。

津市で実際に放課後児童クラブの運営に携わっているのは児童の保護者の皆さまです。市長就任翌年の平成24年8月、学童保育の運営を担う保護者と指導員で構成される津市学童保育連絡協議会からの要請を受け懇談の場を設けることになりました。教育長、担当職員とともに協議会役員の方々のご意見やご要望に向き合う機会を得て、様々な制約を乗り越えながら学童保育に関わる問題を解決していくためには今後もこのような協議の場が必要であると判断し、その場で懇談会を毎年開催することをお約束しました。同時に、職員には、これまでのような待ちの姿勢はやめてこちらからクラブに積極的に出向き、それぞれのクラブが抱える課題を把握するように努めようと声をかけました。その結果、いくつかの懸案に突破口が見つかる効果が現れてきています。

本年3月20日、安濃町で新設された、すぐりんクラブ専用施設の竣工式典が開催されました。放課後、保護者が家にいない児童の居場所を確保することは必要不可欠とはいうものの、働きながらのクラブ立ち上げには大変な苦労が伴います。それでも保護者たちは粘り強い努力で地元の理解を取り付けました。3年間の約束で公民館を借り受け、とにもかくにも共同保育をスタート。同時進行の形で地域と行政とに働きかけ、協働で問題解決に当たり、期限内に保育施設の新設にこぎつけたご努力は他の未設置校区の保護者への力強いエールとなることでしょう。

昭和43年に開設された津市で3番目に古い伝統クラブでありながら保育園の一室を間借りしたままずっと窮屈な思いをしているのが観音寺どんぐり会です。先月、ようやく三重大学との協議が整い、教育学部附属小学校の敷地内に津市が建物を新築しクラブを移転することについて合意が成立しました。国立大学法人と自治体と保護者主体の運営組織の3者が協調して放課後児童クラブを設置運営する全国初の試みです。平成31年度の開設を目指して速やかに設計に取りかかります。

放課後児童クラブの運営に関わる保護者の方々との懇談を進め、学童保育の現状把握に努めた結果、児童が増え施設が手狭になったり、老朽化により建物の改修が必要になったりするなど、クラブにはそれぞれの事情があり、お困りごともひとつひとつ異なっていることが見えてきました。児童が充実した放課後の時間を過ごせるよう、そして、保護者が安心して働き続けられるよう、今後も津市はできる限りきめの細かい支援を続けてまいります。

市長の活動日記から

津市応急クリニック開設式典 3月19日

お城西公園の西隣に応急診療所を開設しました。365日、毎夜間の診療に加え、日曜・祝日・休日、年末年始の昼間診療も実施し、皆さまに安心をお届けします。

美里地域 市立小学校・中学校閉校式 3月25日

100年以上の伝統を誇る長野小学校・高宮小学校・辰水小学校。美里中学校とともに、県内初の小中一貫義務教育学校・みさとの丘学園として新しい歴史を紡ぎます。


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