近年の木材価格の低迷などにより採算性の悪化、森林所有者の経営意欲の減退を招き、手入れがされない人工林が増加し、森林の有する多面的機能が十分に発揮されない恐れがあります。一方で、近年は集中豪雨が多発している状況になっています。
そのため、土砂や流木の発生を抑制する災害に強い森林と、そのような森林づくりを県民全体で支える施策として、平成26年4月より「みえ森と緑の県民税」が導入されました。
みえ森と緑の県民税は2つの基本方針に沿って5つの対策を展開しています。
基本方針1 災害に強い森林づくり
防災・減災の観点から整備の急がれる森林について、土砂災害防止機能等えお高めるために必要な対策を講じ、災害に強い森林を実現します。
(1)土砂や流木による被害を出さない森林づくり
土砂や流木によって人家や公共施設などに被害が及ばないように、洪水緩和や土砂災害防止機能等の森林の働きを発揮させるために、必要な対策を進めます。
(2)暮らしに身近な森林づくり
生活環境の保全や向上のため、県民の暮らしに関わりの深い森林について必要な対策を進めます。
基本方針2 県民全体で森林を支える社会づくり
住民による森林づくり活動への参加の機会や木と触れ合う機会の提供を進めるとともに、都市空間や生活空間に緑や木材を積極的に取り入れるなど、県民全体で森林を支える社会づくりを進めます。
(3)森を育む人づくり
災害に強い森林づくりを将来に引き継ぎ、また森林や緑を大切に思い・育む人づくりのため、森林環境教育や黙育に携わる人材の育成や、脅威行く活動を進めます。
(4)森と人をつなぐ学びの場づくり
未就学児や児童、生徒をはじめ、様々な県民に森林や木材について学び・ふれあう場を提供し、森と県民との関係を深める対策を進めます。
(5)地域に身近な水や緑の環境づくり
地域の身近な水や緑の環境づくりを進めるため、森・川・海のつながりを意識した森林や緑、水辺環境を守り、生物多様性を保全する活動支援や、森林や緑と親しむための環境整備など、身近な緑や水辺の環境と県民との関係を深める対策を進めます。
詳しくは、三重県ホームページ(外部リンク)をご覧ください。
市町が地域の実情に応じて創意工夫して森林づくりの施策を展開しています。
土壌浸食のおそれがある渓流沿いの森林において、根系や下層植生の発達を促すため間伐を実施しました。
林業の生産活動による緑の循環を実現する中で、森林の有する土砂流出防止等の公益的機能を高度に発揮させていくため、森林所有者等が行う新植地等への獣害防止施設の整備について支援しました。
間伐等で発生する林地残材等について、再生可能エネルギーである木質バイオマスエネルギー利用を図るため林地からの搬出・運搬に関し、間伐施業地から山土場、山土場からチップ工場への搬出経費を支援することで、森林所有者・林業事業体への意識啓発、取組拡大、利用量の増加を図りました。また、林地残材の減少を図り、河川等への流出を防ぐことで流木を出さない森林づくりを行いました。
ライフラインを寸断する恐れのある危険木の事前伐採を行ったことで、台風等で発生する倒木による配電線の断線に伴う停電に対して、未然に防止策を講じました。
小学生の親子を対象に木工体験や丸太切り体験、皮むき体験を行い、木に触れ合う機会を提供しました。
高性能林業機械を使用した搬出間伐の現場見学、間伐体験等により、参加者は林業について体験し、あわせて森林整備について理解していただきました。
平成26年度から平成30年度にかけて市町交付金を活用して整備した美里水源の森をフィールドとして、自然に親しむ市民の憩いの場、青少年の自然・環境体験学習の場として、市内在学の小学生を対象に林業体験(きのこ作り体験、植樹)を実施しました。
桜橋子育て支援センターに木製遊具や木製机を導入し、0歳から就園前の子どもと保護者が木のぬくもりや質感を学べる場を整備しました。
安東コミュニティセンターの整備にあたり、内装に県産材を使用しました。コミュニティセンターの利用者が木に触れ、感じることで木に興味、関心をもっていただくことが期待されます。
・流域防災機能強化対策事業
・林地残材搬出促進事業
・災害からライフラインを守る事前伐採事業
・森林環境教育事業(夏休み森と緑の親子塾、森と木の体験教室 等)
・美里水源の森 林業体験
・子育て支援センターにおける木育環境整備事業