「広報津」第278号(音声読み上げ)歴史散歩 第134回 かげしげの漁場境界基点標、津市(このまち)で輝く

登録日:2017年7月16日

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歴史散歩 第134回 かげしげの漁場境界基点標

豊津浦海岸の河芸町かげしげと白塚町の境には、設置年の異なる二つの漁場境界の基点標が建っています。一つは堤防のすぐ下にある高さ約120センチメートル、一辺30センチメートルのかこう岩の標柱です。正面には、漁場の位置を示す表記の一部である自丁至丙基點方位、右面には、北 豊津村、左面には、南 白塚村、裏面には、明治39年10月(1906年)と刻まれていますが、これより下の文字は砂に埋もれて判読できません。

また、もう一つは堤防から100メートルほど海側の砂浜にある高さ約75センチメートル、一辺25センチメートルのかこう岩の標柱です。この標柱にも、正面に位置を示す表記、従丁至丙基點、右面には、北 豊津、左面には、南 白塚、裏面には、明治四十三の文字が刻まれています。しかし、河芸町史には約20年前に撮影されたこの標柱の写真が掲載されていて、正面は、従丁至丙基點方位132度、右面は、北 豊津村漁場、まで読むことができます。この当時は高さが150センチメートルとあることから、20年ほどで約2分の1が砂に埋まってしまったことになります。

これらの標柱から、当時は村境が漁場境界の基点になっていたことが分かります。なぜ設置年が異なる標柱が二つあるのか、今となってはその理由は定かではありませんが、明治34年に漁業法が公布され、翌35年に白塚村漁業組合、36年には豊津村漁業協同組合が設立されています。また、明治43年は漁業法が改正された年です。

現在は、鈴鹿市との境界から藤方までが一つの大きな漁場区域となっているため、二つの標柱は基点標の役目を終えています。

目の前に広がる波穏やかな伊勢湾。時の流れと自然の持つ不思議な力がリアルに感じられる場所の一つです。

津市(このまち)で輝く

ボリューム15 大里小学校 学校図書館司書 なか ともみさん

平成23年度から大里小学校の学校図書館司書として勤務。児童の読書推進活動に取り組み、平成29年度子どもの読書活動優秀実践校として大里小学校が文部科学大臣表彰を受賞。

質問1 大里小学校の取り組みについて教えてください

毎朝10分好きな本を読む あさどく や、作家や専門家を招いて講演会などを行う としょかんまつり、学校図書館ボランティアによる読み聞かせや本の紹介、家族で一緒に本に親しむ うちどく など、学校・家庭・地域が一体となり、読書活動の推進に取り組んでいます。また今後は、急速に進むデジタル化社会において、デジタルとアナログ両方の良さを取り入れた図書館教育も目指していきたいです。

質問2 読書推進活動をすることで、児童に変化はありましたか

貸し出しの冊数が増え、保護者からも自主的に読書するようになったとの声を聞くようになりました。また、自らが読んだ本だけでなく、読み聞かせで読んでもらった本を記録する大里小学校読書貯金箱を通して、読書記録が溜まるワクワク感や、新たな本との出会いの喜びを体験し、読書が苦手な子どもたちも図書館に顔を出してくれるようになりました。

質問3 図書館・本の魅力とはなんですか

図書館は人が生きていくために必要な想像力の集まる場所だと思っています。疑問を持ったときなど、答えやより良い方法を導き出すために、本は頼りになる存在の一つです。学校図書館での資料活用力が子どもたちの生きる力につながるよう、これからも手助けしていきたいです。


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