「広報津」第314号(音声読み上げ)下水道局だより

登録日:2019年1月16日

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折り込み紙2

下水道局だより

未来に引き継ぐ下水道 ボリューム3

平成31年1月16日発行
下水道局 電話番号239-1030 ファクス239-1037

市民の皆さんに津市の下水道事業をもっと知っていただくため、課題や経営状況などをシリーズでお伝えしています。前回まで、下水道使用料収入が不足している厳しい経営状況や平成29年度決算について紹介してきました。今回は汚れた水をきれいにする費用についてお話しします。

汚水処理にかかる費用は

子どものコメント
前回、下水道事業を運営していくために、使用料だけでは足りないから、その不足分を税金で賄っているという話を聞いたけど、どんなことにお金がかかっているのかな。

先生のコメント
汚れた水をきれいにするための費用の原価が1立方メートル当たり177円で、使用料の単価118円を上回っているというお話をしたね。
原価の177円は、汚れた水を処理するために1年間で使った23億円を、家庭から下水道へ流れる水の量1,300万立方メートルで割ったものなんだ。

子どものコメント
23億円はどんなことに使われているのかな。

先生のコメント
大きく2つの費用に分けられるんだ。平成29年度 汚水処理原価の内訳を見てみよう。維持管理費として17億円、資本費で6億円使っているんだよ。

平成29年度 汚水処理原価の内訳

汚水処理費(23億700万円) 割る 有収水量(1,300万立方メートル) イコール 汚水処理原価177円

補足

  • 有収水量(1,300万立方メートル)は、処理水量のうち不明水等を除いた使用料がかかっている水量
  • 汚水処理原価177円は、1円未満切り捨て
維持管理費
  • 汚水管、ポンプ場、処理場など 9億5,600万円
  • 三重県への負担金 7億1,400万円

合計 16億7,000万円

汚水管、ポンプ場、処理場などの内訳
  • 人件費 1億9,200万円
  • 委託料 3億7,400万円
  • 工事費・修繕費 1億2,400万円
  • その他 2億6,600万円
資本費
  • 借入金の利子 1億7,300万円
  • 減価償却費 4億6,400万円

合計 6億3,700万円

維持管理費と資本費

子どものコメント
維持管理費と資本費ってどんな費用なのかな。

先生のコメント
維持管理費は、汚水を処理したり、下水道管や処理場を維持管理したりするための費用だよ。津市には、耐用年数を超えた古い下水道管や施設が多いから、とてもお金がかかるんだ。
たとえば、津市中央浄化センター(昭和52年供用開始)は、平成28年度から耐震工事を実施中だよ。

子どものコメント
三重県への負担金7億円はどんな費用なのかな。

先生のコメント
平成29年度に津市では汚れた水の8割を三重県の施設で処理しているんだけど、その水量に応じて費用を負担しているんだ。

子どものコメント
維持管理の費用だけで17億円もかかるんだね。でもきちんと維持してもらわないと困るものね。
それじゃあ、資本費ってどんな費用なのかな。

先生のコメント
資本費は、下水道を整備するための借入金の返済費用と、施設の建設などにかかった費用を施設の使える年数で割って計算した1年分の減価償却費だよ。

子どものコメント
借入金の返済ってどれくらい残っているのかな。

先生のコメント
汚水処理に関する借入金だけで、平成29年度末の残高はまだ約512億円あるんだ。
毎年返済しているんだけど、工事をするためには新しく借りる必要があるから、残高は毎年少しずつしか減らせないんだ。

下水道を使える地域を増やすために

子どものコメント
なかなか借入金の残高が減らないということだけど、まだ新しい工事をしないといけないのかな。

先生のコメント
環境保護や公共下水道の未整備地域の解消のためにも、まだまだ必要な工事が多いんだ。

子どものコメント
津市の下水道はどのくらい普及しているのかな。

(ここからグラフ)

県庁所在地 下水道処理人口普及率(平成29年度末)

  • 大阪市 100%
  • 横浜市 99.9%
  • 東京都(区部) 99.9%
  • 札幌市 99.8%
  • 福岡市 99.7%
  • 京都市 99.5%
  • 名古屋市 99.3%

途中省略

  • 高松市 63.4%
  • 大分市 63.1%
  • 松山市 62.3%
  • 高知市 59.8%
  • 津市 46.8%
  • 和歌山市 39.8%
  • 徳島市 31.1%

出典 国土交通省報道資料(小数点第2位四捨五入)

(グラフここまで)

先生のコメント
公共下水道が使える人口を総人口で割った数値を下水道処理人口普及率というんだけど、津市は46.8パーセントで、全国的にも低いんだ。
46.8パーセントは、平成29年度末現在の数値で、13万931人を27万9,857人で割ったものだよ。

子どものコメント
全国の県庁所在地で下から3番目なんだね。なぜ津市の普及率はこんなに低いのかな。

先生のコメント
津市はこれまで、浸水被害を防ぐための雨水対策が必要だったり、志登茂川浄化センターの整備に時間がかかったりしたこともあって、下水道の整備が遅れたんだ。でも平成30年4月に志登茂川浄化センターが使えるようになったから、普及率を伸ばしていけるように下水道の整備を進めていくよ。

子どものコメント
まだまだ整備に費用が必要なんだね。

健全経営のためには

先生のコメント
下水道の健全経営のためには、何年も先のことを考えて事業を進めなくてはいけないんだ。

子どものコメント
どんなことに取り組んでいるのかな。

先生のコメント
まず光熱費や燃料費など身近なところから無駄を省いているんだ。また汚水管に地下水や雨水が誤って入ってしまうと処理水量が増えるから、調査をして少しでも必要のない処理水量を減らす努力もしているよ。

子どものコメント
無駄な処理水量が減れば、その分費用も減らせるね。他にはあるのかな。

先生のコメント
工事する場所を選ぶ時には、少ない工事でより多くの人が下水道を使えるように、効率的な整備を考えているんだ。あと、工事する時には、適切な施工方法の選択や、小型でコストを抑えたマンホールの採用など、低コストに抑える努力もしているんだ。

子どものコメント
工事方法を使い分けることで経費を抑えることが大切なんだね。

先生のコメント
老朽化した下水道管の修理をする時は、道路を掘り返さず内側を特殊な加工で改築する管更生工法も取り入れているんだよ。

(ここから 管更生工法ビフォー&アフターの下水道管を見ながら)

先生のコメント
道路を掘り返さず内側から補修することで工事費を抑えられるんだ

子どものコメント
きれいになったね。道路の通行止めも短くて済むからうれしいな

ここまで 管更生工法ビフォー&アフターの下水道管を見ながら

子どものコメント
いろいろな技術が使われているんだね。

先生のコメント
削減できない費用もあるけれど、それ以外の部分でさまざまな取り組みをしているんだ。
次回は、下水道使用料の考え方と公共下水道以外の汚水処理についてお話しするね。


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