Q 土地登記簿の地目が山林となっている土地を、現在畑として耕作していますが、農地法の規制があるのでしょうか?
A 農地法では、土地の現況に着目して規定しており、現況が農地であるときは、諸規制を適用することとしています。これが農地法の「現況主義」といわれるゆえんです。このことから、土地登記簿上の地目が山林、原野など農地以外のものになっていても、農地として利用されていれば農地法の規制を受けることになります。
Q 老齢のため、農地を同居のあととりの長男へ贈与したいと思います。ところが兼業農家で、田畑あわせて35アールしかありません。「5反以上ないとできない」と知人から聞かされましたが、本当でしょうか?
A 農地の権利移転には農地法第3条の規定による許可が必要ですが、農地法では、その取得後に経営面積が50アール(香良洲町、白塚町、における農地の場合は20アール、美杉村、河芸町(旧豊津村)、芸濃町(旧河内村)、一志町(旧波瀬村)は30アール、芸濃町(旧雲林院村)は40アール)に満たない場合は許可できないと規定しています。同じ世帯内の親子のやりとりであってもこれが適用されるため、全部であるか一部であるかにかかわらず、現状では贈与はできないものと考えます。
Q 農地売買で、農地法の許可を受けないとどうなりますか。
A 農地の売買には、転用目的で買う場合と、農家が耕作目的で買う場合の2つがありますが、両方ともに農地法の規定によるその旨の許可(市街化区域内で転用の場合は届出)が必要です。当事者の合意によって売買契約そのものは成立しますが、これは「許可があった場合に契約の内容が有効になる」という条件付きであると考えられます。従って許可のない間は、農地の所有権そのものは、法律上買主のものになりません。
以上のとおりで、許可を受けずに事実上の売買、すなわち代金の授受や土地の引渡しを行ったりすると、後日当事者間で紛争のもととなりましょう。
Q 農地を相続することとなりましたが、相続に農地法の許可が要るのでしょうか?
A 必要ありません。相続は被相続人の死亡により相続人がその権利義務を承継するものであり、一般の売買、貸借などのように権利の移転または設定のための法律行為がないからです。
Q 市街化調整区域内の農地に二男の分家住宅を建てるにあたり、都市計画法に基づく開発許可が必要になりました。農地転用許可との関係はどのようになるのでしょうか?
A 開発許可と農地転用許可は同時許可が原則となっていますので、申請手続きは両者併行して進めてください。農地転用許可は、他法令による許可等が受けられる見込みがない場合には、転用目的実現の確実性がないとして行わないこととされており、もし開発許可の見込みがないとすれば、この許可も得られないことになります。
耕作されていない農地をそのままにしておくと、雑草の繁茂や害虫の発生などの影響を周辺農地に及ぼします。定期的に草刈りを行い、いつでも耕作を再開できる状態に管理しましょう。
農業委員会では、農地の有効利用を図るために遊休農地などを把握し、それぞれの状況に応じた対策を推進するために、農地パトロールを実施しています。場合によっては私有地に立ち入ることもありますので、ご理解、ご協力をお願いします。
農作業で農地等に農薬を使用されるときは、必ず農薬のラベルで使用基準を確認して、使い方を守り周辺住民への周知など、周囲への心使いも忘れないようにしましょう。
トラクターなどで農作業をした後、道路に出るときは、道路に土を落とさないように注意しましょう。道路に落ちた大きな土の塊は、歩行者やバイク、自転車、車椅子等の通行の妨げになる場合があります。
水稲を収穫した後の稲わらや草刈り後の草を放置したままにすると、雨水に流され、ポンプ場や排水路に詰まり周囲に被害を及ぼす場合があります。すきこみを行うなど、適切な処理を行いましょう。