「広報津」第332号(音声読み上げ)歴史散歩 第161回、津市(このまち)で輝く

登録日:2019年10月16日

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歴史散歩 第161回 すごうの里と不動滝

JR名松線の終点駅・伊勢奥津駅から南に進み、伊勢本街道に入ると、家々に掛けられた屋号などを示したのれんが、訪れる人を温かく迎えてくれます。街道を東に進み、雲出川を渡る みやしろばしを越えると、今年4月に津市景観計画の重点地区に指定されたすごうの里に入ります。

やがて、右手にイチョウの木が見えてきます。その下のほこらには地元で おんばさん の愛称で親しまれる延命地蔵菩薩があり、周辺には地蔵菩薩をはじめ石造物が複数並び、古いもので天和4年(1684年)、元禄4年(1691年)と記された供養碑などがあります。延命地蔵菩薩は、江戸時代、この地の庄屋が子どもたちをはやり病から救おうと祭ったのが始まりといわれ、百日咳に御利益があるとして、かつては大阪府や兵庫県などからも参拝客があったそうです。毎年8月23日の地蔵会には、地元の人々による邪気払いの、山へ行け、川へ行け、の唱和とともに数珠繰りが行われます。

さらに街道を東に進むと、左手に地元で ふだば跡と呼ばれるこうさつばの跡が見えてきます。こうさつばとは江戸時代から明治時代初期にかけて幕府や政府の法令などを掲示して、地域の人々や街道を行き交う多くの人にこれらを知らせるための場所でした。

ふだば跡から街道をさらに東へ進み、不動滝の案内板を右手に曲がり、雲出川の支流沿いの山道を800メートルほど進むと、大小の滝が見えてきます。これは不動滝、別名めおと滝(大きい方が男滝、小さい方が女滝)と呼ばれ、周囲は澄んだ空気に包まれています。男滝のすぐ下流の山腹にはいつ頃からか石造の不動明王が祭られています。無病息災を祈願したそうで、今も地域の人々により守られています。

爽やかな秋風の中、豊かな自然と伊勢本街道のまち並みが残る里を散策してみてはいかがでしょうか。

津市(このまち)で輝く

ボリューム42 わくわくが共有できる陶芸教室でありたい
陶芸家 あんどう だいご 28歳、あんどう さとこ 37歳

プロフィール

2017年6月、栄町一丁目に、小さな陶芸教室 あんどう屋をオープン。店舗は、幼稚園として使われていた古い建物をリフォームしたもの。お気に入りは、ゆらぎのある大きな窓ガラス。市内のカフェや東京のアパレル会社などから仕事の依頼が後を絶たない。

  • だいごさんのコメント アジア進出のため中国語を勉強中
  • さとこさんのコメント 人のおすすめは一度試してみる

直感を大切に 内なる声に耳を傾ける

高校卒業後、陶芸を学ぶために地元岐阜県の専門学校へ進学しただいごさん。一方、東京の広告会社でCMなどを制作していたさとこさんは、形に残るものを作りたい、と突然思い立ち、陶芸家を目指して同じ専門学校へ。ビビッときたという出会いが、その後の人生を共に歩ませることになった。

結婚後は、陶芸家のさとこさんを会社員のだいごさんが支えていた。しかし、子どもが生まれたとき、自らも陶芸の道を歩むことを決意。家族にとっての幸せとは何かを考えての決断だった。その後、この場所に呼ばれた気がする、と、さとこさんの実家がある津市へ移住し、陶芸教室を創業した。

教室の生徒さんは仲間のような存在で、育ててもらっている、と話す2人。(ふたりのコメント)生徒さんの考えるデザインや色の組み合わせにはいつも驚かされる。自分の作品に迷いがあるとき、作品を誉めてもらえると自信につながる。(コメントおわり)

工房では陶芸教室の他、ガラス細工や革靴などの作家を招いて一緒に作品を作るワークショップも行う。ものを作るときのわくわくした気持ちをもっと多くの人と共有したいと話すさとこさん。作家として個展を開くなど幅広く活躍したいと語るだいごさん。2人は夢を追いかけながら、直感を大切に楽しむことを忘れない。


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