今年度に実施された部長級、部次長級及び課長級を対象にした「組織経営セミナー」、また新任担当主幹、新任担当副主幹、新任主査および採用後2年目職員を対象にした「階層別研修」で、津市の合併後10年間の振り返りと、今後の新展開の方向性およびそれに向けた取り組み方や心構えについて講話を行いました。
とき・ところ・参加者
平成28年8月25日 |
津市図書館視聴覚室 |
部長級職員 32人 |
平成28年8月25日・26日 |
津市図書館視聴覚室 |
部次長級職員 65人 |
平成28年7月26日・8月17日 |
本庁舎8階大会議室A |
課長級職員 165人 |
平成28年8月19日・24日 |
本庁舎8階大会議室A |
新任担当主幹級職員 66人 |
平成28年9月27日、10月4日 |
本庁舎8階大会議室A |
新任担当副主幹職員 99人 |
平成28年10月21日 |
本庁舎8階大会議室A |
新任主査職員 87人 |
平成28年11月2日 |
本庁舎8階大会議室A |
採用後2年目職員 104人 |
平成28年4月5日 |
本庁舎8階大会議室A
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新規採用職員 90人
(テーマ:「合併後10周年を迎えて)
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計 708人(12回 実施)
市長講話の内容
テーマ 「新 津市の新展開」

【合併後からこれまでの振り返り】
- 合併効果による財政健全化と着実な事業の推進
10の市町村が合併して現在の津市が誕生し10年が経過しました。
この間の状況を振り返るために、決算におけるさまざまな数字を平成18年度と平成26年度で比較してみるとその変化から見えてくることがあります。
まず、職員数を3,119人から2,499人まで削減してきたことにより、人件費(普通会計)が219.9億円から195.8億円まで減少しています。また、市債の返還額である公債費(普通会計)についても131.1億円から107.2億円に、臨時財政対策債・合併特例債を除く市債残高も983.3億円から298.5億円に減少しています。さらに、これらの減少とともに、自治体の蓄えである財政調整基金残高は104.3億円から200.6億円まで増加して、人口30万人都市の中では1位の額となりました。これらのことから、合併の効果によって財政の健全化を進めることができたことがわかります。
一方で、大型プロジェクトの推進などにより、普通建設事業費(普通会計)は89.0億円から182.2億円に増加し、合併特例債も230.3億円を発行しています。また、福祉にも力を入れてきたことにより、扶助費(普通会計)が122.4億円から219.8億円に増加しています。これらのことから、新市まちづくり計画による取り組みなど、合併後やるべきことを着実に進めることができたことがわかります。
- 平成27年度は津市のターニングポイント
このように合併後は財政の健全化を推進し、合併当初の計画を着実に実行してきましたが、平成27年度にターニングポイントを迎えています。平成27年度決算では、職員数の削減が計画に達し、職員数も2,522人となり人件費削減という効果はほぼストップしています。積み上げてきた財政調整基金残高も189.7億円に減っており、今後はある程度合併特例債の償還に充てなければなりません。しかしながら、大型プロジェクトなどの事業はまだ進行中のものもあり、普通建設事業費や扶助費は引き続き増えています。ここまでは、実は織り込み済みのことなのです。
しかし、今後は、これに加えて公共施設の老朽化という問題が大きくなってきます。公共施設の更新整備は今まで年間平均約48億円の投資的経費を充ててきました。これから同じように更新整備を行うと年間約113億円かかる見込みです。さらに、これから築30年となる施設の大規模改修がピークとなり、その後同施設が築60年を迎えると、いよいよ建て替えが必要になってきます。合併の効果は1度きりで永久に続くものではないため、今までのような財政健全化によってこれに対応するというわけにはいかなくなってきます。つまり、津市は今、大きなターニングポイントを迎えているのです。
【今後のキーワードは「選択と集中」】
このような状況の中、サオリーナの建設、久居駅周辺地区都市再生整備事業、津市応急クリニック、学校の大規模改造・プレハブ校舎の解消・トイレの洋式化、庁舎の移転などの事業は、継続していかなければなりません。また、建物だけでなく獣害対策、さまざまな地域ニーズへの対応なども同様に継続していく必要があります。
新たに取り組む事業もあります。大谷踏切の拡幅は、旧津市からの長年の懸案事項ですが、着手していくことになりました。昭和3年施工の津興橋の架け替えも大きな事業です。学校の普通教室へのエアコンの整備、子供医療費の無料化、育休退園の廃止、こども園の整備などもしっかりと進めていかなければなりません。
さらに、企業間のビジネスマッチング・創業サポート体制整備を推進するためのビジネスサポートセンターの創立、公民館・コミュニティ施設の老朽化対策、高齢者外出支援の取り組みや防災情報の戸別受信装置配付に関してなど、これらを新しく事業化するための調査検討を進めている事柄に関しても、取り組んでいかなければなりません。
これから10年の総合計画を立てます。平成30年からスタートする都市マスタープランも今年度から来年度にかけて作ります。しかし、合併による効率化が収束した今、これまでのまちづくりとこれからのまちづくりを同じ延長線上で考えるわけにはいきません。皆さんは、それぞれの分野・立場で課題をしっかりと捉え、今後何をやっていけば良いのか、何が市民にとって幸せかということを考えて考え抜いて最善を選択する、それを積み上げたものが総合計画となるはずですし、そしてそれを市民の皆さんにきちんと説明できるようにすることが大切です。
【よりどころは津市職員行動規範】
平成26年度に職員自らが議論して策定した職員行動規範。市民のためになることをしたい、市民に幸せになっていただきたい、そういう思いがこの行動規範の根底にあります。これからの津市の将来を考えるに当たって、ぜひここに立ち返ってください。
今我々は、未来に対して責任を持たなければなりません。次の世代の市民に、この津市をこれからも本当に安心して住み続けていけるまちにして渡していく責任があります。志高く堂々たる津市役所の職員として、しっかりとそれぞれの分野で取り組んでください。
【職員との対話の中での市長からのメッセージ】
- 公共施設のこれからを考える
公共施設に関して、例えば公民館を例に挙げると、古い順に建替えるのはあまり説明はいらないはずです。しかし、重要なのはどんな公民館にするかという点です。今までの延長線上で当たり前に建て替えていくという発想ではなく、これからの時代、将来に渡って市民が活用するための公民館を考えていかなければなりません。津市では「新しい時代の公民館検討委員会」を作り、市民の皆さんと一緒に検討していく動きを取っていきます。
総務省が各自治体に発信しているのはダウンサイジングと複合化です。人口減少と税収減少という流れの中で、公共施設全体を考える公共施設等総合管理計画の策定を求めています。公民館だけを考えるのではなく、公共施設全体を俯瞰して考えていかなければならない。だからこそ、それだけ一層、市民の皆さんと対話していく必要があるのです。
- 市民に対しての発信と対話の重要性
取り組んでいる政策が市民のニーズに合っているのかどうか。これは作用・反作用と同じところがあります。こちらから押すと、逆に押し返される力が分かる。
押さないと分からない。作用しないと反作用はもらえません。政策も同様に、こちらから市民に対して発信をし、問いかけなければならない。これからの地方自治体は、今こうやっています、こういうことを優先させています、子供たちのためにこうやっています、インフラ整備はこうです、ということを言わなければならない。そうすれば、それに対して、さまざまな意見が市民から出てきます。
我々は市民の幸せのためを思ってやっているからこそ、本当に市民のニーズに合っているのかをしっかりと把握することが必要であり、そのために市民への発信、市民との対話は本当に重要であるといえます。
- 認定こども園の在り方
今までは幼稚園と保育園は所管および制度が違っており、例えば幼稚園児の保護者の方が、働く時間と幼稚園から帰ってくる時間との関係がうまくいかない場合などに、柔軟に対応ができるのが認定こども園です。今までの枠組みが取り外されて、子どもたちにとって、保護者にとって何が一番いいのかを考えられます。
そこで、それぞれの幼稚園や保育園の現場でプロとして取り組んできた皆さんが、しっかりと考えてほしい。幼稚園教諭は今までやってきたプロとしての誇りと技術能力を生かし、保育士は今まで培ってきた保育経験を生かして、両方が職員として強みを合わせて連携することによって、新たにより良い園を作っていくことができる。そういう期待をしています。
研修資料
研修資料は、下記リンクをご参照ください。
研修資料「新 津市の新展開」(PDF/117KB)
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