登録日:2021年5月18日
~東京事務所長です~
「『おやじ!出たんだよ、あれが、あれが!』男はそば屋の屋台に飛び込みました。『あれって、何だい?』、『女だ、女の顔が!』、そう言った男に『こんな顔だったかい』と、くるりと振り向いたそば屋のおやじの顔は、目も鼻も口もないのっぺらぼうでした」
有名な「のっぺらぼう」(または「むじな」)の一節です。
その舞台となったのが、紀伊国坂です。
紀伊国坂は赤坂見附付近の通称「外堀通り」にある坂です。実は事務所の近くです。
現在は、上空を首都高が走り、道幅も広い都心の風景となっています。
でも、実際に紀伊国坂を歩いてみると、車は一定数通りますが、歩道の人通りは少なく、坂の横の外堀には葦が生い茂り江戸時代の面影を残しています。
もし、夜、ここを通ったら、と想像すると…。
いろいろな昔話、伝説が残っている東京。眠らない街の中に密かに息づくそういう場所を探してみるのもいいですね。