登録日:2021年10月27日
~東京事務所長です~
連日、皇室の話題が出ていますが、津市は伊勢神宮への通り道だったため、皇族に関する史跡なども多く残されています。
昨日、ピンクのドアをご紹介した一志町井関の「とことめの里一志」の由来もその一つです。
「とことめ」という名前は、万葉集に詠まれた波多横山(はたのよこやま)に由来しています。
この波多横山は、約1300年以上前、古代日本を二分した戦い「壬申の乱」で、父・大海人皇子(のちの天武天皇)と夫・大友皇子が争い、父が勝利し、夫を亡くした十市皇女(とおちのひめみこ) が伊勢へ赴いた時、その景色に心をいやされたという山のことです。
その時に付き添っていた官女が、皇女を励ますために詠んだ歌が残されています。
「河上の 湯都(ゆつ)磐むらに 草むさず 常にもがもな とこおとめにて」
(川のほとりの神聖な岩むらには草が生えないように、皇女にはいつまでも若く美しい永遠の乙女でいてほしい)
波多横山がどの山のことかは、まだわかりませんが、一志町内の八太、井関、大仰、波瀬の4つの候補地が知られています。
「とことめの里一志」には、どなたでも利用できる「一志温泉やすらぎの湯」もあります。
お近くにお越しの際には、はるか万葉の時代に思いをはせながら、ゆっくり温泉につかって、心いやしていただければと思います。