登録日:2022年8月4日
~東京事務所長です~
令和の時代、女性の鉄道運転士を見かけることは当たり前ですね。
しかし、70数年前も女性鉄道運転士が活躍している時代がありました。
そう、太平洋戦争中に男性が徴兵されていったため、銃後を守る女性たちが頑張っていたのです。
私も、広島電鉄の女学生運転士たちが原爆投下から3日後に電車を走らせたという実話を元にしたドラマで初めて知りました。
この時代、全国の鉄道会社で女性たちが運転士や車掌、通信士などとして活躍していたのですが、これまで、日本初の女性運転士は昭和19年の京成電気鉄道と言われていました。
しかし、先日、昭和18年の関西急行鉄道(現在の近畿日本鉄道)が日本初、とする論文が発表されたという新聞記事が出ていました。
記事によると、「三重の女性史研究会」の会員が、当時の県内の新聞を調べ、昭和18年9月21日から名古屋、弥富間の各駅停車で、現在の津、鈴鹿、四日市の20歳前後の女性5人が運転を始めたという記事を発見したということです。
名古屋、弥富間というと、愛知県です。三重県の彼女たちはきっと会社の寮などから勤務していたのでしょうね。
そして、自分たちがお国を守っているのだ、という自信と誇りを持って乗務していたのだと思います。
今の時代は、自ら選んで鉄道の仕事に就くことができます。戦時中の彼女たちも望んで就いたのだと思いますが、その背景はまるで違います。
当時の新聞記事に彼女たちの決意が掲載されているそうです。
「一人でも多く男子を戦線に送りたいと思ひます」
若い人にこんな決意を語らせる世の中に二度としてはいけないと改めて感じました。