登録日:2022年10月18日
~東京事務所長です~
都民の憩いの場・上野公園にある人気スポット「東京都恩賜上野動物園(通称・上野動物園)」。
この動物園と津藩に関わりがあるのをご存知でしょうか。
江戸時代初期、津藩初代藩主・藤堂高虎公に与えられた藩邸の場所が、ちょうど今の上野動物園東園から東京都美術館のあたりでした。
寛永寺や上野東照宮の建設にあたり、高虎公は、こちらの土地を返上し、屋敷跡に「寒松院」という寺院を建立して寄進しました。
この寒松院で休憩される徳川家光をもてなすために高虎公が建てた茶室が「閑々亭」です。
その「閑々亭」、つまり上野動物園の中に建っているのです。
戊辰戦争の時に消失し、少し位置は変わっていますが再建されています。
トラなどがいる猛禽舎の近くにある「閑々亭」は、動物見学の合間に気分転換になるようで、子ども連れのお父さんお母さんや、年配の方などが足をとめて見学されていました。
前庭にある「水琴窟」には子どもたちも興味津々です。
そして、「ゾウのすむ森」の近くの、戦時中に殺処分された動物を含む、園で亡くなった動物たちが供養されている「動物慰霊碑」の後ろには、藤堂高虎公のお墓があります。
非公開となっていて、わずかに慰霊碑の後ろの塀から墓石の頭を見ることができます。
すぐ近くには、大人気のジャイアントパンダ・シャンシャンの観覧列があるので、”殿”もにぎやかでいいかもしれませんね。
上野動物園からは、上野東照宮の五重塔もきれいに見ることができます。
双子パンダの抽選観覧も今月からなくなり、一層にぎわっている上野動物園。お越しの際には津藩や藤堂高虎公の史跡もぜひご覧ください。