登録日:2024年7月11日
~東京事務所長です~
「やぶねり」に引き続き津市の夏に行われる神事をもうひとつご紹介します。
津市河芸町一色の八雲神社で行われる「ざるやぶり」です。
「ざるやぶり」は、室町時代中期から伝わり、市の無形民俗文化財に指定されています。
毎年7月15日に行われます。
近江源氏の末裔が戦いに敗れ一色の海岸にたどり着き、空腹のあまり民家に入り込み、「よまし麦」が入ったざるを見つけ、麦を食べようとしたところ、主人に見つかり奪い合いになったという故事にちなんいます。
ふんどし姿の男衆が、20時の花火の合図で「ワッショイ、ワッショイ、ワーイ」の掛け声とともに神社に駆け込み、約20分激しく練り合い、冷水がかけられます。
小休止を挟んで、さらに人数を増やして、再び花火を合図に練り合います。
熱気を帯びた男衆に冷水がかけられ、30分ほどでいったん引き揚げます。
そして21時頃から、いよいよ3回目、本番の「ざるやぶり」が始まります。
前日から白米を入れて神前に用意されていた、直径約60cmの「たんばざる」と呼ばれる大きなざるが男衆の中に投げ込まれ、壮絶なざるの奪い合いが始まります。
大きなざるは瞬く間に破れ、引きちぎられ、この奪い合いの最中にも容赦なく水がかけられます。
引きちぎられたざるの破片はご利益があるとされ、それを奪い合うための戦いが観客も含めて始まります。
そして、ざるの破片を手にして帰っていきます。
「やぶねり」も「ざるやぶり」も同じ漁業で栄えた隣町で行われるため、この時期になると職場でも、どっちがより激しいと地元の人同士が言い争っています。
今日11日が「やぶねり」、15日月曜日祝日が「ざるやぶり」です。
この迫力ある神事をを見に津市へお越しください。