「広報津」平成25年9月1日/第185号(音声読み上げ) 第10回 市長対談

登録日:2016年2月25日

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第10回 市長対談 津市の農業の未来と担い手の育成

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三重県指導農業士連絡協議会会長 前川正次[まえかわまさつぐ]さん

7月23日、三重県指導農業士連絡協議会会長の前川正次さんを前葉泰幸[まえばやすゆき]市長が訪ね、津市の農業の現状とこれからの農業についてお話を伺いました。

大規模農業のメリット

市長 前川さんのところでは、どれくらいの広さの農地を耕作されているのですか。

前川 現在74ヘクタールです。

市長 津市全体の耕地面積が8,640ヘクタールですから、その約1パーセント、津球場ですと約57個分になりますね。どのような作物を作られているのですか。

前川 主に米ですね。麦や大豆のほか牛用の飼料米なども作付けしています。

市長 これだけ大きな面積の作付けは、会社組織を立ち上げて経営という形で行われているわけですが、この農地はご自身が所有する土地以外に借りてみえる土地があるとお聞きしていますが。

前川 はい。自分が所有する農地は0.5ヘクタールで、残りの約73ヘクタールは高齢のために農業ができなくなって、私のところに「任せるから」と言っていただいた方などからお借りしています。きちんとした仕事をして、必死に農業をおこなっていたら、自然に今の規模になってきたという感じです。

市長 規模が大きいことによるメリットは、どのようなものがありますか。

前川 面積が大きくなればなるほど、大きな機械を導入し、効率的に作業が行えますし、時間も短縮できるというメリットがあります。

市長 田を畑としても使われていますが、いろいろと工夫が必要ですよね。

前川 土を乾かすために、暗きょという排水施設を地中に埋め、これで水の管理をしながら、田を活用しています。

市長 そこではどのような作物を作られているのですか。

前川 小麦、大豆、水稲の順で作付けをおこなっています。

市長 大きな面積の農地を経営されていますので、転作も柔軟に実行できるのですね。前川さんが経営される農地の近くにJA津安芸さんの共同育苗施設があります。これは国と津市で2億円の支援をさせていただいて、農家の方に良い苗を供給するため整備されたものですが、やはりこのような投資は必要ですね。

前川 専門的に育苗をされている施設なので、そろった苗が供給できます。個人ではなかなか良い苗ができませんから、このような育苗施設で苗を作っていただくと健全な良い苗を植えることができます。

これからの農業

市長 先日、前川さんが会長を務める「津市の農を考える会」の皆さんと懇談をさせていただきました。その中で皆さんが一番心配されているのが耕作放棄地の問題でした。津市には462ヘクタールもの耕作放棄地があるのですが、この問題についてどのようにお考えですか。

前川 まずは、地域の中で耕作放棄地を今後どのようにしていくのか話し合うことが大事だと考えています。

市長 この他に大きな問題は後継者対策ですね。若い人に農業に就いてもらうためには、どのようなことが求められているとお考えですか。

前川 農業に対してある程度の知識を持った、若いやる気のある人を私たちのような担い手の法人が育て、一人立ちの際には、国や県、市の支援制度を利用していくのが良いかと思います。

市長 若い人が、給料をもらいながらスムーズに農業に従事できるのが、非常に良い手法ではないかと思いますね。必ずしも大規模経営をされている担い手の農家の方がみえるとは限らないので、現在、国では耕作放棄地などを管理し、まとまった形で貸し出す仕組みとして「農地中間管理機構」の設置が検討されています。このような新しい取り組みについてはどのようにお感じですか。

前川 大変良い取り組みだと思います。やはり農地中間管理機構が県や市を含めて地域できちんと話をして、担い手が何カ所もの離れた土地で耕作しなくてもよいような仕組みを作ることが大切だと考えます。

市長 現在、大きな問題となっているのがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)ですね。これは農業だけではなくいろいろな産業に関わってきますので、国内対策がきちんとなされることが一番大切だと思いますが、前川さんはTPPについてどのようにお考えですか。

前川 私たちもTPPに反対ばかりしていてもいけないと思います。TPPに参加するからといって今まで培ってきた農業をやめるのではなく、今までおこなってきたことをこれからも地道に続け、地域の皆さんの信頼を得られるように頑張っていくことが一番大事なのではないでしょうか。

市長 津市としても、引き続き、国や三重県とも十分な連携を図り、農家の皆さんやJAの皆さんの声もお聞きしながら、しっかりと農政を進めていきたいと思っています。
 今日はありがとうございました。

前川 ありがとうございました。

前川正次さん
昭和28年生まれ。津市あんとうちょう在住。三重県指導農業士連絡協議会会長。平成10年より就農。平成20年株式会社前川農産を設立し、法人として認定農業者となる。

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