「広報津」第323号(音声読み上げ)下水道局だより

登録日:2019年6月1日

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折り込み紙4

下水道局だより

未来に引き継ぐ下水道 ボリューム5
令和元年6月1日発行
下水道局 電話番号239-1030 ファクス239-1037

津市の下水道事業をもっと知っていただくため、課題や経営状況について昨年度からシリーズでお伝えしています。前回までの下水道局だよりでは、公共下水道について、汚水処理費用や使用料が不足している現状を紹介しました。
第5回は、公共下水道以外の汚水処理や公共下水道の令和元年度予算についてお知らせします。

公共下水道以外の汚水処理

子どものコメント 前回までは、公共下水道事業についていろいろ教えてもらったけど、津市全域で公共下水道は使えるようになるのかな。

先生のコメント 現在、公共下水道を使用できる地域と、今後整備する地域があるんだけど、津市ではそれ以外に地域の特性に応じて、市営浄化槽、共同汚水処理施設、農業集落排水の3事業を行っているんだよ。

子どものコメント 公共下水道事業とどう違うの。

先生のコメント 市営浄化槽事業は、公共下水道の計画がない地域に、津市が合併浄化槽を設置したり、個人が設置した合併浄化槽の維持管理をしたりする事業だよ。共同汚水処理施設事業は、同じく公共下水道の計画がない地域で、津市が汚水処理の管理を行うことを希望する団地について、一定の整備をしてもらった上で、その後の管理を引き継ぐ事業なんだ。

子どものコメント 農業集落排水事業はどんな事業なの。

先生のコメント まとまった集落単位で各地域にある小規模な施設を使って汚水を処理する事業だよ。現在、津市では26カ所の農業集落排水処理施設があるんだよ。

津市の下水道の課題

子どものコメント 津市ではさまざまな方法で汚れた水を処理しているんだね。公共下水道事業は厳しい経営ということだったけど、この3つの事業はどうなのかな。

先生のコメント 市営浄化槽事業は、維持管理などの必要な経費約3.3億円に対して、収入は使用料約0.6億円を含めた約1.3億円で、約2億円も不足しているんだよ。共同汚水処理施設事業は、必要な経費約0.5億円に対して使用料収入が約0.2億円で、約0.3億円の不足、農業集落排水事業は、必要な経費約5.5億円に対して、収入が使用料約1.3億円を含めた約4.4億円で、約1.1億円不足しているんだ。

子どものコメント 公共下水道事業と同じで、適正な収入の確保が課題なんだね。

各事業の費用を賄うための財源

市営浄化槽事業

財源合計 3億2,884万2,000円(2,714戸)

内訳
  • 国・県支出金 2,621万6,000円
  • 地方債 2,920万円
  • その他 1,524万円
  • 使用料 5,999万7,000円
  • 基準内繰入金 6万3,000円
  • 基準外繰入金 1億9,812万6,000円

このうち、基準外繰入金の1億9,812万6,000円が、収入の不足を税金で賄っている分です。

共同汚水処理施設事業

財源合計 4,706万5,000円(676戸)

内訳
  • 使用料 1,474万3,000円
  • その他 3,000円
  • 基準外繰入金 3,231万9,000円

このうち、基準外繰入金の3,231万9,000円が、収入の不足を税金で賄っている分です。

農業集落排水事業

財源合計 5億5,026万7,000円(3,394戸)

内訳
  • 使用料 1億2,740万1,000円
  • その他 768万1,000円
  • 基準内繰入金 3億502万4,000円
  • 基準外繰入金 1億1,016万1,000円

このうち、基準外繰入金の1億1,016万1,000円が、収入の不足を税金で賄っている分です。

汚水処理3事業の経営状況

子どものコメント 公共下水道事業の不足額は、確か1立方メートル当たり59円だったと思うけど、これらの事業はどうなのかな。

先生のコメント 市営浄化槽事業では、汚れた水をきれいにするために1立方メートル当たり520円必要なんだけど、使用料収入は131円しかないから389円不足するんだ。それから、共同汚水処理施設事業は331円必要なところ、使用料収入が104円で、227円不足するんだ。

子どものコメント どちらも公共下水道より不足額が大きいね。

先生のコメント 広い津市全域に公共下水道を整備するのは難しいから、代わりにみんなの合併浄化槽や団地の処理施設を津市が管理することにしたんだ。

子どものコメント 津市が整備できない地域だから、使用料を公平に公共下水道と同じにしているんだね。

先生のコメント あと農業集落排水事業は異なる使用料体系なんだけど、費用1立方メートル当たり226円に対して使用料収入は122円で104円不足するんだ。

子どものコメント それぞれの事業を未来に引き継いでいくために、経営について考えていかなきゃいけないね。

各事業の経営状況の比較(平成29年度決算)

いずれも、1立方メートル当たりの金額です。

市営浄化槽事業
  • 汚水処理にかかる費用 520円
  • 使用料収入 131円
  • 収入不足分 389円
共同汚水処理事業
  • 汚水処理にかかる費用 331円
  • 使用料収入 104円
  • 収入不足分 227円
農業集落排水事業
  • 汚水処理にかかる費用 226円
  • 使用料収入 122円
  • 収入不足分 104円

令和元年度公共下水道事業予算

収益的収支

その年度の下水道事業の提供に必要な費用と、収益(主に下水道使用料)

  • 収益的収入 105億7,445万4,000円
  • 収益的支出 96億4,132万9,000円
  • 純利益 9億3,312万5,000円

いずれも、税抜き。

収入内訳
  • 基準外繰入金 10億1,936万円
  • 一般会計からの繰入金 47億7,864万6,000円
  • 下水道使用料 17億6,432万3,000円
  • 長期前受金戻入 37億9,818万9,000円
  • その他収益 2億3,329万6,000円
支出内訳
  • 人件費 3億6,268万3,000円
  • 維持管理費等 25億6,427万7,000円
  • 借入金利息 10億8,571万9,000円
  • 減価償却費等 56億2,865万円
  • 純利益 9億3,312万5,000円

資本的収支

下水道を将来にわたって維持するために必要な施設の整備や拡充などに係る費用と、それを行うための財源となる収入(補助金や借入金)

  • 資本的収入 58億327万5,000円
  • 資本的支出 87億6,037万7,000円
  • 収支差引 マイナス29億5,710万2,000円

いずれも、税抜き。

収入内訳
  • 企業債(借入金) 40億5,310万円
  • 負担金・補助金 16億9,780万2,000円
  • 受益者負担金および分担金 5,237万3,000円
支出内訳
  • 汚水管整備にかかる費用 26億3,236万2,000円
  • 雨水管整備にかかる費用 6億2,146万1,000円
  • ポンプ場等整備にかかる費用 3億2,603万5,000円
  • 流域下水道建設負担金等 2億5,426万1,000円
  • 借入金の返済 49億2,625万8,000円
不足額

29億5,710万2,000円

解説

先生のコメント 公共下水道事業の令和元年度予算が確定したから紹介するね。

子どものコメント 収益的収支の使用料収入は約17億6,000万円で、新しく接続した地域の分を見込んだ収入額なんだね。

先生のコメント 資本的収支の支出では汚水管渠の整備を推進していくよ。志登茂川処理区を中心に、雲出川左岸処理区やその他の地域でも工事を進めるんだ。

子どものコメント 借入金の返済の金額が大きいね。

先生のコメント 令和元年度は事業のために企業債を約40億円借りるんだけど、返済は元金と利子合わせて60億円以上する見込みなんだよ。

子どものコメント 収入不足を賄うための税金負担は増えるのかな。

先生のコメント 令和元年度は資金不足を賄うための借入金を増やす予定だから、基準外繰入金は一時的に約6億円程度減る見込みなんだ。でも将来的に借入金の返済が増えるから、今後も厳しい経営が続く見込みだよ。


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