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折り込み紙2
私たちの暮らしの中の水道 ボリューム13
令和3年8月16日発行
上下水道管理課 電話番号237-5811 ファクス237-5819
身近にある水道について知っていただくために、水道事業の現状・課題・経営状況をシリーズでお伝えしています。今回は水道事業の経営状況について見ていきます。
先生のコメント。津市の水道料金は、平成18年1月の市町村合併の際に、10市町村の中で最も低額であった旧津市の料金体系を採用したんだ。その後、実質的な料金改定を1度だけ行い、今の料金体系になっているんだよ。
男の子のコメント。1番安い旧津市の料金体系を選択したのに、料金改定は1度だけで10年以上も経営を維持してがんばってきたんだね。
先生のコメント。そうなんだ。これまで水道料金を安く維持してきたから、県内14市では3番目に低額なんだよ。だけど、これからは人口減少による料金収入の減少も予測されるから、これまでのように低料金を維持することが難しくなってきているんだ。
税込み、口径13ミリメートル、1カ月で20立方メートル使用の場合
平成18年1月、最も低額であった旧津市の料金体系を採用。
平成20年4月、平均19.67パーセント増額改定。
なお、消費税等相当額分は平成26年4月と令和元年10月に改定
税込み、口径13ミリメートル、1カ月で20立方メートル使用の場合。
以下は金額の低い順。平均は2,812円。
先生のコメント。市内には、水道管(約2,500キロメートル)や浄水場などたくさんの水道施設があるんだけど、壊れないように維持管理をしていかないといけないよね。市町村合併後も水道施設は増えているけれど、さまざまな経営改善や経営努力で、維持管理にかかる費用を合併時とほぼ同じ金額に抑えてきたんだよ。
女の子のコメント。いろいろな工夫をして経営してきたんだね。このまま経営を続けていけるのかな。
先生のコメント。老朽化した水道管による漏水や水の濁りが増えてきていて、これらは利用者の皆さんに迷惑を掛けるだけでなく、作った水を無駄にすることになるから、経営面でも深刻な問題なんだ。今後は高度経済成長期に整備された水道管や浄水場など水道施設の老朽化が一斉に進行してくるから、これまでのように経営改善や経営努力を続けていても支出を抑えることが難しくなってくるんだ。
先生のコメント。つぎのグラフは各計画期間における投資額を表したものだよ。第2次津市水道事業基本計画(第2次計画)では、津市水道事業基本計画(第1次計画)の約2倍となる総額約216億円の建設改良事業を計画しているよ。
グラフここから。ただし、音声読み上げ版では、グラフの詳細は省略しています。
投資額(建設改良費)の推移
グラフ終わり。
男の子のコメント。なぜ第2次計画では投資額が多くなったのかな。
先生のコメント。第2次計画では古くなった水道施設の更新事業を迅速かつ着実に進めていくために、これまでよりも投資額を増やして対応していくんだ。老朽化の進行で漏水などが多くなると、つぎに示すように負のスパイラルに陥ってしまうよ。これを断ち切るために更新事業を進めていくことは、水道水の安定供給にとって非常に重要なんだよ。
先生のコメント。安全・安心な水道事業を続けるため、第2次計画では令和3年度の料金改定を前提として、貯金は約50億円を下限目安に、借入金は170億円を上限目安としたんだ。
男の子のコメント。令和3年度の料金改定を見送ったけど、これからの経営はどうなるのかな。
先生のコメント。料金改定をしないままだと、必要な建設改良事業を計画どおりおこなっていくための資金が確保できないんだ。老朽化対策や施設耐震化など、第2次計画で実施予定の事業には多額の資金が必要になってくるんだけど、借入金はすでに上限目安に近いんだ。貯金を活用して事業を進めた場合だと、令和6年度には底をついてしまうんだよ。
ここから貯金と借入金のグラフ。
借入金の上限目安は170億円で、貯金の下限目安は50億円です。
令和2年度以降の金額は見込みです。
グラフ終わり。
女の子のコメント。水道事業を続けていくためには料金改定をするしかないのかな。
先生のコメント。料金改定をせずに水道事業を続けていくためには、管路の更新事業を減らすか、借入金を増やすしかないんだ。
女の子のコメント。それじゃいけないのかな。
先生のコメント。管路の更新事業を減らした場合は、老朽管がさらに増えてしまって、安全・安心な水道水の供給に影響があるんだ。借入金を増やす場合も、増えた借金は将来世代が負担することになるんだ。
女の子のコメント。それじゃ困るね。
先生のコメント。更新事業を着実に進め、安全・安心な水道水を将来にわたって安定的に供給することが重要だから、そのために料金改定を行う必要があるんだ。
今の水道を維持することはもちろん、50年先、100年先の世代まで安定して水道水を届け続けるのは、今を生きる私たちの責任です。